第20話
ガントレットの拳圧がグーンの顔にクリンヒットする。グーンの体が蹌踉めくも涼の脇腹に蹴りを入れる。その攻撃をガントレットで防ぎ弾く。左手1本で、休むことなく凄まじい攻撃の応酬を浴びせた。
「どうした、まだたりねぇーぞ!? こんなもんか、お前の力をもっとみせてみろよ」
黒い血が宙を舞い、激しく地面に飛び散る。不思議と苦しくない。痛みを忘れるくらい、怒りと気持ちが昂る。「まさに今そんな状態」何も考えず、攻撃を繰り出す。グーンもそれに応えてボコスカと殴り返してくる。
しかし、圧倒的にグーンの方が力は上。異能の力がなければ防ぐこともできない。「まともに受ければタダじゃ済まないパンチだ」何としても避けなければ。紙一重で避ける意識と攻撃に集中しながら、逆転の機会を狙う。
「おい、おい、どうした? 俺を倒すんじゃねぇーのか。力が弱ってるんじゃないか、そんなじゃー、イリやサイましてやサーザス様も倒せねーぜ」
グーンは涼を煽る。力が足りていないのは「自分が1番よくわかってる」だがな「今更俺も後には引けない。ここでコイツを倒さないとまた誰かに危害が及ぶ」というより、「目の前のコイツが鬱陶しい、右腕をやられた礼も返していない。絶対に許せない」
「お前は、ここで」
この3ヶ月間、手掛かりなしで無性に苛立ち。親にあたり、他人に厳しくあたってきた。そんな過去との自分と訣別したい。何よりサーザスの手掛かりは絶対に逃す訳にはいかない。強気の涼は果敢にグーンへ詰め寄った。
「バカが、こんな攻撃じゃ、俺には届かねんだよ」
涼は壊れた如意棒を出し、グーン目掛け投げた。グーンの胸部に突き刺さる。直ぐに手刀で如意棒を切断し、体から摘出。そのバラバラになった残骸を涼へ投げ返す。涼は拳圧で粉砕したが、グーンの拳が真正面に飛び出してきた。「やばい、受けるしかない」
グーンの攻撃がガントレットへ直撃し、涼の体は空中に浮かんだ。空中にいるとき、木の枝に異能の縄をロープ状にし括りつけた。右肩に輪を固定し、ピーンと張った状態になった。
その衝撃を利用し、小さな子供のようにブランコした。グーンと逆方向に左手をかざし、拳圧を発射。まるで、ジェット機のスラスターだ。左手を握り締めると、タールのバリスタも装着されていた。ガントレットの力で、矢を巨大化させた。
「さあ、受けてみろ」
巨大な矢をゼロ距離で発射。
弾丸のような矢は、グーンの右人差し指から胸部を抉り取った。
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