第6話 質疑応答

 でも、俺が考えていた認識と違っていたのは、思いの外体力があったということだ。

 桁外れとまではいかないが、一般人よりも少し上ぐらいはあるらしい。おっさんだけど。

 これも荷物持ちをしてた効果だろう。

 

「そんな固くならないでくださいよ。あ、わたしの自己紹介がまだでしたね。佐々木恵梨ささきえりと言います。これから白峰様の担当受付嬢になりますので、困ったことがあればいつでも」

「ええ、その末永くよろしくお願いします」


 なぜか佐々木さんは頬を赤く染めている。

 体調でも悪いのだろうか? 

 でも、ここまで仕事熱心な女性が担当になってくれたのは本当にありがたい話だ。


 しかし考え方を変えれば俺に年齢なんて関係ねぇ〈新人ルーキー〉なんだから働けと遠回しにギルドが伝えているのでは?


「佐々木さん早速質問が」

「ど、どどどうじょ!!」


 なぜそこまでテンパっているのか?

 不思議な人だ。まるで勇者クレア様を思い出す。

 

「ダンジョンに制限はあったりしますか?」

「はは、そうですよね……そういう質問ですよね。私がバカでした」

「えーっと、佐々木さん大丈夫ですか?」

「だ、大丈夫です、よ。ダンジョンの制限ですね。時間的な意味ではありません。ですがランクによって探索できるダンジョンは増えてくるのも事実です」

   

 だとしたら高ランクになるほどダンジョン探索の幅が増えるといったところか。

 なら俺のやることは決まったも同然だ。

 

 今は下位でもいいからひたすらダンジョンを探索し、身体を慣らすのが最優先事項だ。慣れてきたらレア素材なんかを採取し、最終的にはダンジョンコアを目指してみたいなプランで挑むとしよう。


 しかしランクを上げる条件を伝えないのはなぜだろう?


 単に俺が聞いていないからだろうか。

 それとも……特定の条件があって達成しないといけない、みたいな感じなのかもしれない。


 今、考えても仕方ないかもしれないが。


―――――――

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