第5話 適性試験

 ギルドの裏は訓練場として機能しているらしく、その残骸が地面に散らかったままだった。

 見た感じ結構激しい訓練をしているようだけど、ダンジョンはそこまで危険な区域なのだろうか。


 せいぜい野生の動物を狩る、そのレベルだとありがたいのだが。

 そんなわけないよな。


「では適性試験を行います。用意された木人形にひたすら攻撃してください」

 

 アナウンスと同時に流れるベルの音。

 とうとう適性試験が始まった。用意された木人形にただひたすら攻撃を繰り返す、そんな試験だ。


 しかしこの試験は本当にすべきものなのかと疑問にも思っていた。まあ一応、国家試験だから表向きはっていうことは理解できるが、これじゃ何を試されて何をさせられてるのか不明なままだ。


 だがおっさんの俺には堪えるな。

 剣を振るだけでも体力を消費するのに……単に運動不足が目立ってるだけかもしれないが。

 現代人はどれだけ体力があるんだ。

 

 とまあ考えながらひたすら剣を木人形に振り続ける。いつの間にか適性試験終了のアナウンスが流れ、探索者でも下位の資格〈新人ルーキー〉を得たのだった。


「白峰様、この度は探索者の資格取得おめでとうございます。でもすごいですね。あそこまでの体力尊敬に値します」

「あ、あはは、ありがとうございます」


 もうヘトヘトだ。

 はぁ……すぐにでも休みたい。


――――――

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