第3話 技術の進歩に驚く

 俺は都会の至るところで宣伝されている探索者となるため探索者ギルドに向かった。

 

 どうやらダンジョン探索をするには、探索者ギルドで探索者登録する必要があるようで、こういう仕組みも異世界の冒険者ギルドの仕組みとそう変わりはない。

 だから簡単……そう思っていたのだが……。


「マジか……こんな試験があるのか?」


 探索者となるには、適性試験として魔物と戦う術を測る――実技試験が行われる。それに合格した者だけが探索者ギルドに名前が登録される、そういった仕組みらしい。

 おまけにこれが今や国家試験の一つだっていうのは、正直「マジか」その一言に尽きる。


「えーっと、白峰様どうされますか? 適性試験受けられますか?」


 そう聞いてきたのは、受付嬢のお姉さんだった。

 艶のある黒髪ショート、目は少しキツイ感じで、顔立ちが整っている。クール美人って感じだ。

 それに緑の制服に帽子がこれまた似合っている。


「はい、お願いします」


 受付嬢の言葉に俺は言葉を返した。


「でしたら使用する武器をこの中から選別してください」


 と、言われて一枚のカードが手渡されたのだが、これをどう扱えというのか……。


 異世界に15年もいたおっさんの俺にはついて行けないまでに技術は進歩したようだ。

 しかし、よくよく目を凝らして見ると、カードの下にタップと表示されている。


 カードをスマホ感覚でタップすると、不思議なことに宙に3D画像が表示された。右にスワイプすると様々な武器種があるようだ。だが、俺が扱える武器はノーマルというのか普通の片手剣しかない。


 遠距離から攻撃を行う弓、魔法を駆使して戦う魔法杖などもあるが、扱えないのは目に見えていた。ダンジョン探索に少し余裕を感じられる程度になれば、他の武器種も試してみよう、そんな気持ちにもなるが……。


 今の俺には到底無理、その一言に尽きる。

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