竜巻になったひつじ雲
望月(もちつき)
竜巻になったひつじ雲
ぺルソナと言う言葉があるから
その仮面の裏を信じた
存在しない裏に
言葉の嘘つき
どうしてもついてしまう偽りを作り出す
だまされた羊はそのまま群れになった
負け犬の遠吠え、羊飼いの犬は高らかに吠える
広くて大きな草原には
なだらかでふくよかな風が生まれた
ふさふさの毛にまとわりつく空気は
羊の渦に巻き込まれて
左右を見失う
耳に微かに届く、飼い主のベル
犬は渦に吸い寄せられた
羊たちは足を早め、
中心の空白に向かって、大きな渦を作り出す
取り込まれた空気は竜巻になり
周りという存在を巻き込んでいく
飛ばされていく家
空に舞う犬
丘の上に建てられた巨大な竜巻は
風の柱になった
頑強になった、その城はゆっくりと鈍く動き出す
誰にも止められない
竜巻になったひつじ雲 望月(もちつき) @komochizuki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます