『白い家』 その7


 その時のことだが、ぼくは、ある、気配を感じた。


 シャワーのような音。


 微かだけれど、あのしゃわしゃわした音は、家庭の中でも、わりに特徴的な音だ。


 小さな白い家だし、ドアを開け放していたから、聞こえてもおかしくない。


 『お風呂だな。』


 ぼくは、いささかどきどきした。


 女性だったら、良くないだろう。


 しかし、この場合は、やはり気になるのだ。


 ここの謎が解けるだろう。


 しかも、簡単にだ。


 まだ、お風呂場の場所は確認していない。


 ぼくは、部屋を出て廊下を進み、突き当たりに達した。右側はダイニングキッチンだった。


 左側に入る。


 すぐに、右側に部屋があり、間違いなく音はそこから聴こえてくる。


 大きなすりガラスの向こうに、人影が見えている。


 それは、明らかに人間だろうとは推測できたが、映画みたいには、男女などは、すぐには分からない。


 ぼくは、探求心が先にたって、衝動的にノックをしたのだ。



       🛀


 


 


 

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