死の概念理解と残った疑問
私の名前は白井アニ。白井家の長男だ。これは私が2歳の時の出来事だ。
私が2歳の時、父方の曽祖父が死んだ。この時に私は母から死の概念を教わった。
「この人はもう動かない。死んだの」
「死んだらどうなるの?」
「魂は天国に行って、私たちを見守っているの」
この母の教えを聞いて思った。
「生きているの?」
「違うよ。魂になって存在しているのよ」
「魂になるとどうなるの?」
「会話が出来なくなるの、でも存在しているのよ」
「どこに居るの?」
私は疑問を次々と母親に投げかけた。
「天国に居るのよ」
「天国ってどこにあるの?」
「遠いところよ」
「どうやったら行けるの?」
「生きている間はいけないのよ」
「じゃあ、魂はどうやって天国に行っているの?」
そんな私と母の会話を聞いて、叔母が言った。
「そんな小さな子に死の概念なんか分かるけないじゃない」
「いや、でもこの子、理解しているみたい」
「そんなはずないわよ。2歳よ?そんな知性あるわけない」
そう言って叔母は去っていった。
「ねぇ、魂はどうやって天国に行くの?」
私は母と叔母の会話が終わるのを待って質問を続けた。
「体から魂が抜けて、上に登っていくのよ」
「じゃあ、天国って上に行けばあるの?」
「そうなるね」
「じゃあ、空を飛んだら行けるの?」
「空を飛んでも行けないかな」
「じゃあ、空には無いの?」
「宇宙にはあるかもね」
「宇宙って何?」
「空の上にある場所だよ」
「じゃあ、そこに行けば天国があるの?」
「どうだろうね~、どこかにはあるかもしれないね」
その答えを聞いた時、叔母が母を呼びに来た。
「葬儀始まるってよ」
私と母は葬儀場に移動した。
最後の回答を聞いた時、私はこう思った『やっぱり天国は行ける場所にあるんじゃ?』それに宇宙飛行士なら天国に行けるのだろうかという疑問が残った。この疑問の答えは、後で知ることになる。
===カグヤからの苦情===
「おい、アメノ……。なんだこの無茶ぶりは!2歳児に死の概念の理解など求めるんじゃない!」
カグヤは激怒していた。
「まてまて、落ち着けよカグヤ。別にあれは、そういうイベントじゃない。あんな歳で死の概念を理解できるわけないだろう?だから、あれはただのチュートリアルだよ。死とは何か疑問を持つことに意味があったんだ」
「それにしても2歳は無いだろう。記憶に残るかも怪しい年齢だぞ!」
「大丈夫だろう?君なら忘れても思い出すって」
「無意味なイベントに私を参加させるんじゃない!」
私はアメノの後頭部を叩いた。
「ありがとうカグヤ」
アメノはうっとりとした顔で私を見つめてくる。彼にとっては私が触れることは全てご褒美なのだが、叩かずにはいられなかった。悔しい。何をしても喜ばせてしまう私の美貌が恨めしい。
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