第2章 不思議なお寺

佳代は早速予約を取ってくれた。


今度の週末に1回目のレクチャーがあると言う。その前に、面接試験に合格しなければその場で解散になると言われた。


金子『もおー。一体何なのよ!予約したんだし、もう少し詳しく教えてよ佳代!』


佳代『わかったわ。面接はこの体験が出来るかどうかの適性を見るためよ。 言ったでしょ、誰でも出来るわけじゃないのよ。』


これ以上は話せないと言った。 何でも説明を受ける前に誓約書があるのだとか…

少し不安になる。

でも、嫌なら辞めれば良いと心の中で思った。


そして約束の週末がやって来た。

佳代は自慢のメルセデスで金子を迎えに来た。早朝4時である。


金子『眠いわ〜。何でこんな朝早いのよ。』


佳代は今からとあるお寺に向かうと言い、まずはそこで瞑想するんだとか…


金子『なんか、随分と健康的ね瞑想なんて…』


これ以上金子は聞くのを辞めた。どんな展開が待ち受けているかワクワクする事にしたが、秘密クラブ、他言無用、面接、瞑想全く想像出来ずやはり不安が込み上げてくる。と同時に期待感もあり複雑な心境だった。


1時間程、山道をドライブした後目的地に到着した。


佳代『着いたわ。このお寺よ。』


金子『えっ!これ…お、お寺?』


鬱蒼と生い茂る森を抜けると、それは突如として現れた。

神社ともお寺とも取れる様な巨大な木造建築の建物。その建物の後ろには近代的なコンクリートの建物も見える。


金子『一体、こ、ここは…』


佳代『驚くのも無理ないわ。普通のお寺じゃ無いのよ。 此処は秘密クラブが運営している施設なの』


その建物の前には高さ3メートル以上有ろうかと思われる鋼鉄製の門がある。

そして、何処かに電話をする佳代。

2〜3分待つと、ゆっくりと門が右にスライドして行った…


車を敷地内に滑り込ませると、背の高いスーツ姿の30代と思しき男性が迎えに来た。


『お待ちしておりました転斎様。どうぞこちらへ』


と、いわゆる社務所的な所に案内された。準備が整うまで此処でゆっくりして下さいと…

中に入るとそこは小さな高級ホテルのラウンジを思わせる場所だった。

バーカウンターや、ちょっとした食べ物もある。

木造の建物からは想像出来ない作りである。


金子『びっくり‼️素敵なところね!これなら寛げるわ』


佳代『そうでしょ?私も初めて来た時は衝撃的だったわ。ふふふ。』


コーヒーを飲みながら佳代と談笑すること約20分くらいたった頃、カラフルな袈裟を身にまとった住職らしき人物が迎えに来た。


住職『さ、ささ、お二人共本堂の方へ行きましょう』


本堂に入るとフカフカの紫色のカーペットが敷き詰められていた。

中央には木彫りの大きな御本尊が祀られているが、身体は人間だか、顔がどう見ても爬虫類にしか見えなかった。


住職『頭の中を無にしなさい。考えが浮かんだら呼吸に集中しなさい。それを繰り返し行う事によって宇宙と繋がりやすくなります。』


住職のお経と共に瞑想が始まった。

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