執着
天野 みろく
第1章 見栄
私は湯水 金子(43)である。旦那は大手商社のサラリーマンで一般の家庭よりも裕福な暮らしをしている。
土曜日になると旦那は朝からゴルフ私は近所のママ友とお昼から優雅にフレンチレストランでお食事。
そんな生活も飽き飽きしていた。何か刺激が欲しかった。
金子『何か楽しい事ないかしら…』
佳代『あるわよ。誰にも言わないなら教えるわ』
ママ友の転斎 佳代(46)である。佳代の旦那さんは歯科医師で駅前でデンタルクリニックを経営している。
佳代は、大手Yパン工場の工場長だ。
やはり一般の家庭よりもお金持ちである。
金子『なによ、勿体ぶらないで教えてよ。』
佳代『絶対秘密よ』
金子『わかったから…もう。』
実は佳代はホストクラブにハマっていた。
が、普通のホストクラブでは無く会員制の秘密クラブであった。
なんでも、4〜5人のホストと飲んだ後、その中からお気に入りを選び別室に移動するのだとか…
金子『いやよ。そんなの…売春じゃない。』
佳代『違うのよ、それがね…』
金子『何よ、何?』
すっかり興味を持った金子は佳代を急かした。佳代は続けた。
佳代『別室は防音になっていて、VRの設備と音響設備の凄いのがあって…』
金子『それで、それで?何すんの?』
これ以上は会員にならないと話してはいけない決まりだと言う。
興味があるなら一度経験して欲しいと。
会員になる時詳しく説明があると…
金子は少し腹が立っていた。
最後まで何をするのかわからないからである。消化不良である。
佳代『とにかく、ハマるのよ最高の気分なの』
佳代はお試し会員になれると言った。
一度体験して会員になるか決めたら良いと…
金子『わかったわ。何か面白そうだしお試そうかしら。 で、おいくら万円なの?』
佳代『ハハハ。何そのキャラ?ウケる。 まぁ、お試しは5日間レクチャー込みで50万ね、ただし、体質によって出来ない人もいるのね、その場合半額が返金されるわ』
一体、出来る出来ない、体質とか…
ますます金子は興味が湧いて来た。が、金子にとって50万は少し高い。
金子のお小遣いは月30万。少し悩む。
佳代『どうしたの?50万なら安いでしょ?何を悩んでるの?辞めとく?』
佳代の言い方に金子は少しイラついたしプライドもある。
金子『そうね、たった50万ならお試そうかしら』
負けず嫌いの金子は思わず見栄をはってしまった。
この行為が後々、後悔する事になるとは知らずに…
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