第94話 |漆黒の牙《シュヴァルツファング》討伐戦後編
「ゴホッゴホッ! ゴホッゴホッ!!」
長く
そして終には、その場に膝をついてしまった。
「ユート!」
「ユートさん!」
マシロとノアの悲痛の叫びが聞こえてくる。
漆黒の
魔素で肺をやられた俺を仕留めようと、猛然と迫ってくる。
おそらく
そして激しく咳き込み、地面に膝をついた俺を見て、殺せると判断したのだ。
この攻撃をまともに食らえば、勝敗は決したようなものだ。
弱っている獲物など余裕で狩れると思っているのだろう。
しかしそうはさせない。
俺は向かってきた爪に対してカウンターで、神剣を下段から振り上げる。
「ぐあっ!」
俺は右の爪を避けきれず、左肩を切り裂かれてしまう。
だが左肩を代償に、
黒の法衣は神剣で斬られたことで、完全に消滅した。
これで神剣以外の攻撃も通るようになったはずだ。
しかし黒の法衣は、また復活することが出来るかもしれない。
だからこのチャンスを逃す訳にはいかないのだ。
俺は右手に持った神剣で追い討ちをかけるため、斬り払う。
「うっ!」
だが切り裂かれた左肩の痛みが邪魔して、僅かに動作が遅れる。
このままでは代償を払ってまで作った隙が、無駄になってしまう。
だが
「
突然背後から声が聞こえると地面が凍りつき、後方へとジャンプした
これは黒の法衣が消滅したから出来たことだ。
「
そして再び背後から声が聞こえると、
「ガアァァッ!」
稲妻は
しかしこちらの追撃は
後方から風を切りながら、凄まじいスピードで光輝く矢が飛んできた。
矢は
作戦通りだな。
黒の法衣を破った瞬間にノアには
結果、
だがさすがと言うべきか。
「だけど遅かったな」
俺も皆が攻撃をしてくれていた時、ただ何もせず見ていた訳じゃない。
フィーナが放った神樹の矢で
「これで終わりだ!」
俺は
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