狭間の流域
謎の黒い渦に呑まれた私は、闇に染まり何も映らない視界に中、体が流されている感覚だけがあった。
(いったいここは……私はどうなっているんだ?)
そんな疑問が尽きなかったが、考えても無駄かと諦め、私は、私の心は、どんどん昏く堕ちていった。
ああ……世界が憎い。理不尽が憎い。
弱い自分自身が憎い。強い奴が羨ましい。
妬ましい、妬ましい。
幸福な奴らが。不幸を知らない奴が。
許せない、許せない。
対抗できない自分が。理不尽な社会が。理不尽な世界が。
ああ……悲しい。
父も、母も。
理不尽を許せない。許したくない。
世界が嫌いだ。世界が許せない。
もう……理不尽など、キエテシマエ。
〔界越者を確認。受け入れ………成功〕
ナンダ? 何カ声ガ聞コエル。
無機質デ、何モ心ガ、感情ガコモッテイナイ声。
〔界越者に膨大な悪感情を確認。能力に変換………成功〕
何を言っているかはわからない。
だけど、堕ちていた心が戻っていく。
〔
けれど、恨み、憎み、妬みが消えるわけではなかった。
理性と悪感情が共存しているようだ。
〔経験を能力に反映………成功〕
〔固有技能[
〔耐性[圧力無効][恐怖無効][精神異常耐性]を獲得………成功〕
〔転生を実行………〕
ああ……意識が朦朧とする。
ぃやだ。まだ、まだ消えたくない。
まだ……生きていたい!
〔転生失敗。界越者の拒絶を確認。意識を力に変換………成功。力の能力化………成功〕
〔固有技能[
ぃ、意識が……ぃやだ。
まだ……消えるのは……。
〔微弱な意識を確認。許容範囲内と認定。転生を実行………失敗〕
〔原因を確認。界越者の意識に問題有りと認定。界越者の意識の解析………成功〕
〔完全な意識の途絶の必要を確認。意識を力に変換………成功〕
だめだ……抗えない……。
〔力の能力化………失敗。能力の進化に変更し、実行………成功〕
〔[拒絶者]が
ここで私の意識は完全に途絶した。
〔意識の完全な途絶を確認。二度の失敗で転生先が変化。次の転生先を確認………認識〕
〔問題………懸念を一つ確認。問題無しと認定。界越者に知識を付与………成功〕
〔転生を実行………成功〕
理不尽嫌いの理不尽 霞玉兎 @staaoisyuon
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