第13話

門司港の美しい風景が広がるゴルフコースで、再プレーの最終ホールが始まった。観客の目が一斉に二人の選手に注がれ、緊張感が場を包み込む。月影玲奈と黒川真央は、それぞれのティーグラウンドに立ち、集中力を高めていた。


玲奈は深呼吸をし、空気を静かに吸い込んだ。彼女の心には決意が宿っていた。「これが私の最後のチャンス。絶対に逃さない。」短くて鋭い目線をコースに送り、クラブを振り上げた。彼女のスイングは完璧だった。力強く、そして美しい弧を描いたボールは、まっすぐにフェアウェイの中央へと飛んでいった。


「ナイスショット!」観客の歓声が響き渡り、玲奈の心に小さな安堵が広がった。彼女は微笑みを浮かべ、次のショットに向けて気持ちを切り替えた。


次に真央がティーに立った。長い茶髪が風になびき、冷静な表情の中にも決意が見て取れた。真央は深呼吸し、クラブを握りしめた。「私も負けられない。」彼女のスイングは力強く、ボールは空高く舞い上がった。しかし、少し右に逸れてしまい、フェアウェイの端に着地した。


「惜しい!」観客からは感嘆の声が漏れた。真央は微かに眉をひそめながらも、次のショットに向けて冷静さを保った。


### セカンドショット


玲奈のボールはフェアウェイの真ん中に位置していた。彼女はボールの元に歩み寄り、次のショットに集中する。彼女の心は静かで、周囲の騒音はまるで耳に入ってこないかのようだった。クラブを振り上げ、慎重にボールを狙う。「ここで決める。」


玲奈のセカンドショットは完璧だった。ボールはまっすぐに飛び、グリーン近くに柔らかく着地した。「ナイスショット!」再び歓声が上がり、玲奈は内心の喜びを抑えながらも、次の一打に向けて集中を続けた。


真央の番が来た。彼女のボールはフェアウェイの端に位置しており、難しいショットを強いられていた。彼女は冷静に状況を分析し、リスクを承知の上で果敢に攻めることを決意した。「ここで諦めるわけにはいかない。」


真央のセカンドショットは力強く、美しい弧を描いた。しかし、ボールはグリーンに届かず、そのエッジに止まった。「やった!」観客の中には彼女の果敢なプレーを称える声もあったが、真央は僅かな焦りを感じていた。


玲奈と真央、それぞれのセカンドショットが終わり、勝負は次のパットに委ねられることとなった。玲奈の心には、自分の実力を信じる強い意志が宿り、真央もまた最後まで諦めない決意を固めていた。


観客の視線が再び二人に集中し、最終決戦の幕が静かに上がった。門司港の風は静かに吹き抜け、ドラマティックな結末を予感させる中、二人の選手は最後の一打に向けて歩みを進めていた。

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