汚春(せいしゅん)

第18話 ブラッシュ・キープ



「いっけねぇ!遅刻遅刻!」


俺の名は高松 慎吾

至って真面目な男子高校生


俺とした事がハーレム妄想に入り込んで幸せを感じ取って居たら!この有様だ!


何が!

美女だ!

何がロリだ!

何がムチチチボディーだ!


最高じゃないか!


「おっ!慎吾じゃん!」

「松山...!ってお前、何っ咥えてるんだ!?」

「何って、そりゃ歯ブラシよ」

「汚ねぇなぁ!」

「お前が言うなよ」


俺と同じスカートを履いている

彼の名は松山 心


一言で性格を表すと

「クズ科カス目」に分類される新種の魚だ


いや魚に失礼か!


一応、生徒会役割は書記だ


「一に金、二に金、三にマネー」

「おっ鉄じゃん!」

「鉄..お前も、なに咥えてるんだよーーッ!」

「あぁ!金運御守だよ!」

「バカかっ!」


俺と松山と同じくスカートを履いているコイツの名は鴨鶴 鉄だ


物凄く金を失いそうな名前だ

金になる事は何でも知っていると松山から聞いている


この学校では“まとも”に位置する

松山いわく、数学は全国1位の実力を持っているらしい


生徒会役職は会計だ


「みてあの3人」

「うわぁ..男なのにミニスカート」

「きっとそう言う子、何だろうね」


周りからの視線を感じながら、俺たちは校門へと猛ダッシュした


「なぁ遅刻すると、どうなるんだ?」

「なぁ...今日って良い天気だよな」

「いや曇りぃッ」

「人には知らない方がいい情報があるんだよ、高松」

「鉄...お前」

「まぁ軽めの」

「軽めの?」

「キィーーーン」

「「「「っ!?」」」

「松山!ここから何分で行ける?」

「30秒だ」

「なるほど!10秒で行ってやるッッ!」


チャイムが鳴り始め

全身に重めな衝撃が走ったせいで、足が重く感じた


「良いじゃあないか!走りぃたまえ!」

「「「えぇ!先生!?」」」

「速く走らないと間に合わないわよ」


そう言って

人とは思えないスピードで先生は校門へ走って行った


「くっそ..チャイムが..終わるぞ!」

「あと4秒もないぞ!」

「残り100メートルだぁ!」

「間に合うはずが無いですね」

「いやっ俺は行ける!」


2日連続遅刻はまずいぃ!青春にヒビが生えるッ

どうすれば...いやっ!考える必要もないっ


「走れっぇぇっぇぇっぇっ」

「なっ!?高松っ!?」


自分でも驚いている

足には感触がなく、浮いているような感じだった


ギネスを余裕で取れるスピードっ

今度申請してみようかな


「うぉぉおおおお間に合えええ」


校門に入る瞬間

俺は思いっきり躓いて転がりこんだ


「コォォーーン」

「セーフっ」


危ねぇ...遅刻は免れたぁ

俺はそっと立ち上がり、松山と鉄の方に顔を傾けた

校門前には如何にも怖そうな先生が立っていた


気付かれてない..!?

速すぎて目に止められなかったか!


先生が校門を閉めようとした時に、鉄と松山が着いた


良い気分だぁ!


「おいっ何お前ら遅刻してんだよォォッ」

「ばっ!?馬刺先生!?」

「けけけ!お前ら遅刻してやーんの!バァーカ!バァーカ!最高だぜぇ!」

「クズ松が」

「見苦しいですね」

「おいッ!お前だよ!」

「え?」


なっ..何故、俺も

遅刻はしてない筈だ


「ちゃんとチャイムがなる前に、学校の敷地内に入りましたよ!?」

「いや...あのチャイムは本鈴だからな」

「あっ」

「あ」

「あ?」

「予鈴後に入るのは遅刻と過程している、つまりお前ら全員処罰対象だ」

「どぉおしてだよぉ」

「ザマァ!ゲス松ッッ!」

「ドンマイですね!」

「全員反省文2万文字だッ!」

「なっ」

「マジか」

「うぅ」

「「「クソタレガァあああ!」」」

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