第3話 タカハシ





「っす...あっ」


どうやって切り抜けるかこの極地

我に返って考えてみたら相当意味のわかんない状況だよな


...そうーだぁ

罪をなすりつけるか

この生徒会長に...くくく


手に持っているマイクを口に近づけ

立ち上がった


「あぁ!そうだ...お前ら!突然の事で驚いて居るだろ..俺もだ!」

「なんだ此奴..改まって」

「昨日の夜に!生徒会長が家に来て”明日の演説を君に任せたい!体育館の裏口で集合だ”と言い残し!台本を渡した」

「嘘つけ..!」

「そんな訳ないだろ..!」


一部の生徒がずっとさじを投げて来た


スマホを取り出し録音再生の画面を全生徒に見せた


「これが証拠だ..!」


音声再生ボタンを押した


音のボリュームを0にし

腹話術で生徒会長のイメージ声を出した

まだ新入生は生徒会長の声を聞いたことはない


唯一の特技を舐めるなよ


「頼む!今回だけだ!今回だけ変わってくれ!もう疲れたんだ入学式前から準備してきて...頼む!一生の願いを2回分使うから去年の会長と同じ下半身裸で登場してくれ!ピッ」


くくく..我ながら素晴らしい演技だ

誰も気づかまい


「ドン引きしたよ..タカハシ会長」

「道端で漏らしたのもそう言う事だったのか」

「タカハシ会長...クズじゃ無いか」


くくく..ケケケ

計画通りぃ


ヘイトが生徒会長へ向いた


「それ以上!タカハシ会長を言わないでくれ」


タカハシ会長のズボンを奪い取り

パンツを履いてズボンも履き恥も履いた

会長のズボンポケットから台本を取り出し

広げた...ついでに恥も


「えー..」


読めない..なんだ漢字だらけじゃ無いか

まずいまずいな

もういい適当に読め!


「ようこそ!南花変高等学校へようこそ!」


あっ..ようこそって2回付けてしまった

頭の中ハッピーセットになりたい


「タカハシ会長曰く彼女持ちは別れろ!世の為だ!っと」


すまんな

全ての罪と今から作る罪をなすり付けてやる


「彼女を持って居る奴に言う...お前は金も稼げないペーペーのヒモなんだよ!真面目に我道を進め!女と別れ俺に紹介しろ!byタカハシ」


そう言うところまで言って教壇からおり

教頭にマイクを渡した


この漢!慎吾!背中に一切の迷い無し


「あいつ..すげぇ...メンタルすげぇ」

「人間じゃ無い..メンタルが鋼では無く身体全体が無機物じゃ無いのか?」

「やはり妖怪!」


あっあー座りずらい

席に名前が書いてある紙が貼ってある

どうやって気付かれずに座るか

目線のほとんどがこっちに向いてるが


もう良いや...


高松は考えるのをやめた


「あいつ高松って名前なのか」


皆んなが騒いでいる間

教頭は会長の身柄を確保して

マイクを口に近づけた


「1年3組高松今すぐ校長室へ来て下さい」


あるぇ..かんぺきだと思ったのに

ちぅしょぃおおおおおおおおお

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