第3話


「....うぅん....」

ここは...確か僕はロゼお姉ちゃんに抱きしめられて窒息しかけたような...

「お目覚めになりましたか、坊っちゃま」

ベットの側に目を向けると長いスカートの黒いメイド服を着た女性が立っていた

「おはようございますカヌレさん、僕はどれくらい眠っていましたか?」

彼女の名はカヌレ・ウェイバー、ヴィッテンフェルト伯爵系に代々仕えるメイドの1人である。髪色はこの世界では珍しい黒い髪黒目で頭には白いカチューシャをつけたロングヘアーの女性である。年齢は不明


「気絶から2時間ほどです、坊っちゃま。」

2時間...か

気絶にしては寝過ぎたかなぁ

「ロゼお姉ちゃんはなにか言っていましたか?」



「ロゼお嬢様は先ほどレン坊っちゃまに向かってごめんなさい〜と謝っておられました。それとお菓子を詫びの品としてこれらの品を受け取っておきました。どうぞ」



「ありがとう、カヌレさん」




「いえ、メイドですので」


「カヌレさんも一緒に食べましょう?このクッキーとか美味しそうですよ?」


「いえ...私は...」


「ダメですか?」

秘技、涙目上目遣い!

相手は言うことを聞く!


「うっ...わかりました、頂きます。」

僕、渾身の上目遣いに応えたのかしぶしぶカヌレは差し出されたクッキーを手にとり食べ始める。


「召し上がれぇ♪」


「ん、美味ですね。さすがはロゼお嬢様、見事な出来です。」

うんうん。僕もたーべよ....

うーん、クッキー美味しいぃ♪

やっぱりクッキーは紅茶と一緒に食べるのがいいね

それにロゼお姉ちゃんは本当にお菓子作りがうまい!

今度教わろうかなぁ〜


ん?何か気配が....

「でしょう?レン〜クッキー美味しいねぇ〜サクサクでさぁ〜」


「「ロゼお姉ちゃん!」ロゼお嬢様!?」

もしかして僕が起きたのに気付いたのかなぁ。部屋に侵入するの早いね

音も聞こえなかったし!

「ごめんねぇ、レ〜ン、お姉ちゃん気分が上がっちゃってさー」

「大丈夫ですよ?お姉ちゃんが僕のことを心配してくれたのはわかっていますから。」だって...ロゼお姉ちゃんはこんなに嬉しそうな顔をするんですから...



「うぅレェン〜」


「お嬢様、レン坊っちゃまに抱きつくのはご遠慮ください。また気絶してしまいます。」






「あぁごめんね?」

抱きつく直前で近づくのを止めるが逆にレンが

「お姉ちゃんは優しいね♪」

ぎゅー

と言いながらロゼをを抱きしめる


その様子を見て本当に仲がいいんだなぁと心の中で思うカヌレなのであった。

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