第18話
「大丈夫なの? 梨花。」
執務が早めに終わったので、今日は桜のカフェに来ている。
夜遅くもこのカフェはやっていた。年中無休らしい。桜が倒れないが心配だ。
「大丈夫だよ。法案の導入仕立ての頃は多少波立つだろうけど、それを踏まえて警備を強くしたから。」
「そう、まあ梨花がいいならいいわよ。」
桜はそういうと、私から視線を外す。
桜の口から出る懸念は、少し怖かった。いままで、桜は冷静に的確に、判断をしてきた。もしかしたら、間違ってるかもしれない。少し、そんなことが頭をよぎった。でも、桜を言い負かした気がして、少し心地よかった。
テレビのコーナーが変わった。
『さて、本日はこちらのチェリーというお店に来ております。こちらのお店では━━。』
地方のニュース番組では、度々取り上げられている。
「桜。取材されてたの?」
「少し前にね。」
『こちらの方にお話しを伺いました。』
そう言って、インタビューを受けるのは初老の男性。このお店のいいところを述べている。
「すごいわね、桜。」
「あはは。そうでもないよ?」
そう言って、桜は不敵に笑い出した。
「ほんっと、面白いなぁ。」
小さな呟きと共に。
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