冤罪で「犯罪者は要らない」と家から追放され、高校からは理不尽に退学されられました。転校先では理解のある美少女たちに囲まれながら、クズな人間を全員ざまぁしていきます。
第9話 美人でエッチで変態な養護教諭に看護される。
第9話 美人でエッチで変態な養護教諭に看護される。
「私はこの学校で養護教諭をしている、
目覚めと共に美女の顔が見えたから、天国にでも行ってしまったのかと思ったが違った。彼女は養護教諭だった。
青く染めたストレートのミディアムヘア。丸眼鏡からのぞく切れ長の綺麗な瞳。黒のショートパンツよりも丈の長い白衣を羽織っており、医療系ドラマの主人公をやっている女優だと言われても疑わない美貌だ。
「ところでキミが意識を失っている間に手当をさせてもらったんだが……随分いい体をしているな。特に背筋!!」
「……へ?」
犬養先生は体を近づけると、俺の服の中に手を這わせてくる。
「そろそろ湿布の効果も切れ始めてくる頃合いだろう……さぁ、再診をはじめよう」
彼女の白く細い指先が、俺の背筋へと伸びてくる。
「ひゃっ……」
ひんやりとした肌の感触に、俺が変な声を上げてしまった瞬間……。
――ガラアァ! っと激しく保健室の扉が開かれて、予想外の人物が入って来た。
「守! 大丈夫か!」
「えっ、麻里さん……!?」
姿を現したのは、タンクトップにデニムのホットパンツという格好をした紫ポニーテールの美女。叔母の麻里さんだった。
「麻里……ずいぶん早かったな」
「そりゃあそうだろ。大切な守に手を出されたらたまらんからな」
俺の困惑をよそに、なぜか犬養先生と麻里さんは親し気なやり取りを始める。そういえば……と。今日の朝、麻里さんからかけられた言葉を思い出す。
――あ、守……学校の保健室にはもう行ったか? ――そうか。いや、それならいいんだ。うん、保健室なんて行かないで済めばそれでいい。
「静流とは高校の頃からの腐れ縁でな……」
「そっ。んでキミの
「そっ、そうなんですか……」
こんな、いかにも高校の頃スクールカーストの頂点を取ってそうな美女2人が同人サークルとは……リアルオタク無双じゃん。
「それより守、怪我したんだろ? 静流から連絡をもらったんだ」
麻里さんは心配そうに俺の背中をさすってくる。
「いやぁ、驚いたよ……怪我して保健室に運ばれた生徒の保護者に電話をかけたら麻里が出るもんだからさ」
「私は冷や冷やして仕方なかったぞ、お前が今にも守に襲い掛かるんじゃないかってな――守、静流は一見すると美人な養護教諭だが、中身はショタの筋肉フェチな変態だ。しかも3次元もイケる。……気を付けろ」
「……きっ、気をつけます」
そんな会話をしていると、再び保健室の扉が――ガラアァ! っと開かれる。
「新木くん! 大丈夫だったか!」
入って来たのは、先ほど体育の授業で仲良くなった池神くんだ。
「池神くん……大丈夫だよ。それより、池神くんがケガをしなくてよかった」
「俺をかばってくれたんだよな、ありがとな」
そう言って俺の手を握りしめてくる池神くん。
「……っ! これは……!」
そんな様子を見て、またしても犬養先生が目を輝かせる。
「あー……静流はBLも大好物なんだ。もちろん3次元もイケる。……気を付けろ」
「……きっ、気をつけます」
そんな一件があったものの、俺は犬養先生に湿布を張りなおしてもらい、午後の授業にも参加した。幸い、生活に支障が出るような怪我はなかったようだ。
「そういえば新木くん、今日の体育の時間、池神くんと話してた?」
放課後、今日は水無月さんと静原さんの2人と一緒に帰っていた。
駅のホームで電車を待っている間、静原さんがそんな問いを投げかけて来た。
「あぁ、体育の授業で仲良くなったんだ……池神くん、すごくいい人だよね」
「うっ、うん……」
「そう、だね……」
しかし、なぜか水無月さんと静原さんは浮かない顔を浮かべている。
「えと、ごめん。なんか俺変なこと言っちゃった?」
「ううん! 違うの、新木くんは、なにも悪くないよ」
「悪いのは、わたしだから……」
――ゴオオオォオ
そう呟く静原さんの声を遮るように、電車がの騒音がホームに響き渡る――
#
電車内のボックス席に座り、俺は水無月さんと静原さんから去年の話を聞いた――
去年、1年生のとき、水無月さんや静原さん、そして池神くんも同じクラスだったらしい。
池神くんはクラスの中心的な人物で、男女問わず人気者だった。しかしあるとき、担任である油婆から水無月さんや静原さんが理不尽に責め立てられたとき、池神くんは油婆に抗議した。
それをきっかけに池神くんは油婆から目を付けられ、孤立するまで追い詰められてしまったようだ。
水無月さんや静原さんは、最後まで池神くんに話しかけていたようだったが、やがて彼の方から距離を取る用になり、疎遠になってしまった――
2人の話を完結にまとめると、そんな感じだ。水無月さんや静原さんは、池神くんの件を自分たちの責任だと思っているようだが……。
「そんなの、全部油婆のクソババアのせいじゃないか……!」
俺は翌日、池神くんの教室へと趣き、教室の隅で1人外を眺めている彼に声をかけた。
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