冤罪で「犯罪者は要らない」と家から追放され、高校からは理不尽に退学されられました。転校先では理解のある美少女たちに囲まれながら、クズな人間を全員ざまぁしていきます。
第8話 性格の悪い男子生徒たちに言い返す。
第8話 性格の悪い男子生徒たちに言い返す。
今日も学校だ。
毎朝、俺は準備を終えると隣の部屋に住んでいる叔母のもとを訪れる。
「麻里さん、行ってきまーす」
「あぁ、気をつけるんだぞ」
麻里さんは相変わらずタンクトップにドルフィンパンツのエッチな格好で送り出してくる。
「あ、守……学校の保健室にはもう行ったか?」
「保健室……? いや、まだ行ってないですね」
「……そうか。いや、それならいいんだ。うん、保健室なんて行かないで済めばそれでいい」
……? なんだったのだろうか。
少し不思議に思ったが、話し込む時間もないので俺は学校へと向かった。
#
今日は体育の授業がある。
体育はグラウンドで男女別になり、我々2年1組と2年2組が合同で行われるようだ。
男子の担当は、この前の職員室の一件でも関わった生徒指導部長の郷田
「よし、じゃあまずは2人1組で準備運動をするぞ! ペアを作ってくれ!」
うわぁ……でたよ2人1組。ぼっちの人が組む相手が見つからずバカにされ、かといって先生と組むとそれはそれで恥ずかしい思いをする最悪なシステムだ。
この高校に転校して来て、水無月さんや静原さん、そして金堂さんとは話せる仲になった。しかし全員が女子であるため、男女別となると俺は完全に孤立状態となる。
俺はふと金堂さんのことが気になった。
水無月さんや静原さんは仲がいいから多分ペアを組むと予想できるが、いつも1人でいる金堂さんは大丈夫だろうか。
そう思い、ふと女子の集団の方に目を向けると、端の方に1人でいる金堂さんに水無月さんや静原さんが話しかけていて、なんかほっこりした。
彼女たちは3人でグループを作るようだ。
って、人の心配をしている場合ではない。俺はまず自分の状況をなんとかしなければ。そう思いあたりを見回すと、1人の男子生徒がグラウンドの隅で座り込んでいるのが見えた。
2組の生徒だろうか。髪は明るい茶髪にパーマをかけており、背が高くスタイルもいい。しかもイケメンな、いかにも陽キャって感じの男子だ。
そんな彼が憂鬱そうな表情で、1人座り込んでいる様子を俺は不思議に思い、なんとなく近づこうとすると……。
「おい転校生、おまえどうせぼっちなんだろ? 俺がペア組んでやるよ」
声をかけられて振り向くと、同じクラスの
あのときと同じく、後ろには取り巻き2人もいる。
「俺たち本当は仲良し3人でやりたかったんだけどよぉ……さすがにボッチは可哀想だからな」
「「ひゃははは!」」
鎌背たちは口元に下品な笑みを浮かべる。
「いや、別に組んでもらわなくて結構だ」
「は?」
鎌背は断られるとは思ってなかったのか、間抜けな声を上げる。
俺はそれを無視して、先程のイケメンな男子生徒の方へと向かう。
「おい待て、アイツには声をかけるな」
しかし、なぜか鎌背が俺の腕を掴んでそれを阻止してくる。
「アイツ
鎌背が俺の行動を阻止する理由が段々とわかってくる。要するにこいつは、あのイケメンの池神くんを孤立させた状態にしておきたいから、俺にペアを組んで欲しくないのだろう。
「お前だってわかるだろ? イケメンで部活でも活躍して、女子たちからモテてるような奴が、こうやって落ちぶれてるのを見る快感がさぁ」
心底愉快そうに笑みを浮かべる鎌背に、俺は軽蔑の視線を向ける。
「まったく理解できないな」
それだけ言うと背を向けて、池神くんの方へと歩き出す。
「ってめぇ……調子のってんじゃねぇぞ」
背後から、悔しそうに吐き捨てる鎌背の声が聞こえてくるが無視をした。
そして、 池神くんの方へと近づく。
「俺、組む相手がいなくてさ、よかったらペア組んでくれないかな?」
そう言うと、彼は驚いたような視線を向けて来た。
「おいおい、いいのかよ俺なんかと組んで。周りのやつらから目を付けられるぜ?」
彼はそう言って自虐的な笑みを浮かべる。せっかくのイケメンがもったいない。
「周りのやつのことなんて知らないよ。俺、転校生してきたばっかりだからさ、嫌われるほどの友達もいないし。それより、君と話してみたいと思ったんだ」
俺はそう言って彼に右手を差し出す。
「ハハッ、変わったやつだな」
すると池神くんは俺の手を掴み立ち上がった。その瞬間、初めて彼が嬉しそうに笑うところを見た。
#
準備運動が終わると、チームを組んでサッカーが行われた。
俺は池神くんと同じチームになった。彼はもともとサッカー部に所属していたらしく、ドリブルでどんどん相手チームを抜いていく。
しかしもう少しでゴールだというとき、俺はコート内の奇妙で動きを感じた。
なぜか、同じチームである鎌背の取り巻きが池神くんの方へとものすごい勢いで突進していく。
そのとき、俺は取り巻きのやろうとしていることを理解した。池神くんにタックルをして妨害しようとしているのだろう。
クソがっ、そんなことまでして人を蹴落としたいのかよ。
俺は全力で走ると、取り巻きと池神くんが接触する寸前、その間に入った。
「ぐあっ!」
俺はコートの外に突き飛ばされる。
「おい
郷田先生がホイッスルを鳴らして近づいて来る。
いってぇ。ってかあの鎌背の取り巻きの苗字、鳥巻っていうのかよ……まんまじゃん。
「新木くん! 大丈夫か!」
意識が薄れていく中、そんなことを考えている俺の視界に池神くんが心配そうに駆け寄ってくるのが見えた。
#
ぼんやりとした意識が徐々に覚醒していく。
「目覚めはどう? 初めまして、転校生くん」
なんとか重いまぶたを開くと、見知らぬ天井と、白衣の美女が覗き込んできているのが視界に入った。
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