底が無くそこに無く尽きることを知らぬ
愛だ。
3回目の大失恋を思い出してるうちに
この3回目だけは今までと訳が違うらしい。
振られようと雑に扱われようと無視されようと
寧ろ、なお燃え上がるような思いまである。
女は不敵に笑う。
この愛という呪いがあの人の骨なり臓器なり、
何でもいいから、あの人の元で形になればいい。
恨んでいない、寧ろ爽やかだ。
妬んでいない、寧ろ清々しい。
嫌っていない、これは好きでは治まらない。
夜な夜なその男を思うだけで、
下の話を思考するする訳でもなく、
胸が高鳴っていた。
愛だ。
死んだら、私の想い人は消えるのだろうか、
それとも私の想いが彼を喰らうのだろうか?
どちらでもいい。
私は彼を愛してる。
彼は私を愛さない。
それを残念に想うも、この愛憎に飲まれた。
あの頃の愛など、跡形もないのだ。
私の望む彼の振る舞いは
ただ、優しく抱擁して私に謝る事。…だけ。
硝子が見ている夢のよう。
割れた陶器人形が、それで治る事もあるまい。
愛してる事を愛してる。
愛してる事は愛してる。
愛してるいるのは自分の為。
…なんだ。
こんなものか。
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