第13話:真実の恋、究極の愛。
「え?バレッタ残るの?」
「私もリボンみたいに、こっちで彼氏見つけようかなって思って・・・」
「まじで?・・・彼氏、作るの?」
俺の治療が無事終わったらバレッタちゃんはとっととエボンリルに帰るもんだ
と思っていたリボンちゃんは、バレッタがこっちに残るって聞いて、嬉しそう
だった。
そりゃね、親友なんだもんな。
「でも、言っとくけど、圭ちゃん誘惑しちゃダメだよ」
「あ〜圭介さん・・・イケメンさんだしね、それに私のタイプだし・・・」
「ああ、俺はいいですよ・・・好きなだけいてくれて・・・」
「圭ちゃん・・・元気になった途端に鼻の下伸ばしすぎ・・・ダメだよ」
「もう一回入院したい?」
「いやいや、冗談だって・・・」
「誘惑なんかしないよ、だからよろしくね、リボンちゃん・・・」
「いいけど・・・バレッタ、圭ちゃん誘惑したら絶交だからね」
「リボンちゃん大丈夫だよ、俺は君だけだから・・・」
「ほんとだよ・・・私だけだからね」
「本当だってば・・・俺には君しかいないんだからね・・・」
「おうおう・・・ふたりしてノロケちゃって・・・見てらんないわ」
ってことで、さくさくと俺の退院の日が決まった。
医者は僕の異常な治癒力と回復力に目を丸くした。
原因は不明・・・そりゃそうだろう魔法みたいな治療法で僕は助かった
んだから・・・。
退院後のリハビリもいらない、残ったのは心の傷だけか・・・それも
愛しいリボンちゃんが癒してくれるだろう。
退院の日、おふくろも迎えにしてくれていた。
で、おふくろの運転でリボンちゃんとバレッタちゃんを連れて俺は無事に
アパートに帰ってきた。
バレッタちゃんは俺のアパートが珍しいのか、風呂場からトイレまで部屋中
見て回っていた。
「めっちゃ狭くない?」
少し落ち着いたあとリボンちゃんが言った。
「圭ちゃん・・・狭くてもやっぱりお家がいいね」
「そうだね・・・落ち着くね」
「私、必死だったよ、圭ちゃんを死なせたくなくて・・・圭介ちゃんに
もしものことがあったら私も生きてないって思ったもん・・・」
「バレッタちゃんが来てくれてよかったよ・・・彼女命の恩人だね」
「俺は急ぎすぎて君に無理強いしてたかもしれない」
「本当の意味での人を愛することって結局自己犠牲の上に成り立ってるんだな
って思う・・・それが俺に対する君の真実の恋、究極の愛だって・・・」
「でも今更だけど愛されるって最高に幸せなことなんだって思うよ」
「だからさ救済第二弾クリアだよ、リボンちゃん」
結局、この事故のきっかけもあって天使は真実の恋、究極の愛を知ることになった。
こんな大袈裟なことにならなくても、いずれはきっとリボンちゃんは本当の愛に
目覚めたと思うけど・・・。
義務感じゃなくこんな愛のこもった救済ってないよね。
つづく。
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