第12話:治癒&蘇生天使バレッタ・エンドロール。

俺は通学時、事故に見舞われた。

赤信号で突進してきた大型トラックが僕が乗っていたバスに追突して俺は

瀕死の重傷を負った。


その後、病院に運ばれて気がついからICUのベッドの上にいた。

リボンちゃんとおふくろが病院にかけつけてくれて、リボンちゃんは俺の

酷い有様を見て泣いた。


俺はしゃべれなかったけど、心が読めるリボンちゃんが僕が思ったことを

拾ってくれた。


俺はこのまま回復に向かうもんだって思ってたんだけど、その夜遅く俺の

容体は悪化した。

お医者さんと看護師さんの努力虚しく俺の心臓は止まったみたいだった。


俺は一度は死んだはずだけど・・・目が覚めると僕のベッドの横にリボン

ちゃんと知らない女の子がいた。


再び蘇生して目覚めたと同時に、俺は自分が怪我人だって意識がなかった。

そのくらい爽やかだったからだ。


「目が覚めた?圭ちゃん」


「あ、リボンちゃん・・・おはよう」


(おう・・・しゃべれる・・・)


「圭介ちゃん・・・全面回復したみたいでよかった」


そう言ってリボンちゃんは俺にハグした。

見ると体についてた機械もなくなってるし点滴もはずれてる・・・動こうと

思えば体も動かせる・・・どうなってる?これ?

あんなにひどい状態だったのに・・・。


なんで今、俺がこんなに元気なのか・・・その謎をリボンちゃんが教えてくれた。


それはこうだったんだ。

俺が生死を彷徨ってる間の出来事、そして亡くなった後の出来事。


俺の容体が急に悪化したって聞いたリボンちゃんは俺を救うためエボンリルに

急いで帰っていたらしいんだ。


で、俺のために蘇生能力に特化した天使を連れて来るため「救済者が危険な状態

だから、蘇生天使を派遣してくれるよう上の人たちに掛け合って許可をもらって

くれたらしい。

で、その蘇生能力に特化した天使をつれて、また人間界に帰って来てくれたって

わけ。


医者は必死で俺を救おうと頑張ってくれたけど、結局心肺停止で蘇生治療も

むなしくその時、俺の心臓は止まったまま一度死んだんだ。


でもリボンちゃんが連れて帰った天使は医者も諦めた僕の屍体に不思議な

パワーを行使して蘇生治療を施した。


心肺停止状態で、まだ時間が経ってなかったこともあって彼女のおかげで

僕の心臓はふたたび動き始めた。

そして身体中にあった打撲痕や裂傷なんかも綺麗に治してくれたらしい。


ってことでエボンリルからまたひとり僕のために天使がやってきたんだ。


リボンちゃんは救済天使だから治癒能力はない。

そこでヒーリング・治癒能力、蘇生能力に特化した天使がやってきた。


以前リボンちゃんが言ってた彼女の親友らしい。


その治癒天使の名前は「バレッタ・エンドロール」


リボンちゃんに負けず劣らずの可愛い天使。

もしリボンちゃんがいなかったら俺の彼女になってって言ってしまいそうなくらい。

髪はグレーでショートボブってやつ?

リボンちゃんより若干、背が低い・・・でリボンちゃんの大の仲良しらしい。


「リボン・・・彼氏すっかり元気とりもどしてよかったね」


バレッタが言った。


「バレッタのおかげだよ・・・ありがとう」


「あ、俺からもお礼を・・・命を救ってくださってありがとうございました」


「いいんですよ、気にしないでください・・・お役に立ててなによりです、

それに私も一度、人間界に来てみたかったですし・・・」

「リボンがエボンリルに帰って来ないから、よっぽど居心地がいいんだろう

なって思ったから・・・」


「あの、だからリボンの彼氏さん、ちょっとお願いしていいですか?」


「お願い?・・・俺に?なんでしょう?」


「しばらく、あなたとリボンのところに私もお邪魔していいですか?」


「え?バレッタ残るの?」


「私もリボンみたいに、こっちで彼氏見つけようかなって思って・・・」


「まじで?・・・彼氏、作るの?」


俺の治療が無事終わったらバレッタちゃんはとっととエボンリルに帰るもんだ

と思っていたリボンちゃんは、バレッタがこっちに残るって聞いて驚きはした

けど嬉しそうだった。

そりゃね、親友なんだもんな。


つづく。


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