第9話:眠れないんだけど・・・。
俺は毎晩ひとりで寝てるんだ・・・けど・・・。
その夜のこと・・・誰かが僕の布団にごそごそ入ってきた。
ってか誰かって言い方は変・・・だって一人しかいないし、そんなことするの・・・
「リボンちゃん?・・・なにしてんの?」
「自信はあるんだけど、私に愛が芽生えてるかどうか確認するためのデモン
ストレーションだよ、だから添い寝してもいい?」
「そ、添い寝?」
「まあいいけど・・・添い寝なんかされちゃったら俺、絶対眠れないよ 」
「後ろからハグしてあげるから・・・気にしないで眠って?」
そう言ってリボンちゃんは俺の後ろに回って抱きついた。
(わは〜・・・なに?この感触・・・これはダメでしょ)
(心地よすぎて気持ちよすぎて眠るどころかある意味拷問だよこれ)
下半身、ビンビン元気になってるし・・・。
「なにモゾモゾしてるの?」
(背中に当たってるんだって、リボンちゃんのたわわなおっぱいが・・・
プニってした感触がさ)
「あの・・・背中に君のおっぱいがめちゃ当たってるんだけど・・・」
「いいから・・・気にしない」
「気にしないでなんかいられるわけないだろ?」
「あ、そうそう、じゃ〜子守歌歌ってある」
「え?子守歌」
そう言うとリボンちゃんは僕の耳元で囁くように歌い始めた。
「およよ・・・これは?・・・なに?・・・歌?・・・まじで?」
「ちょ、ちょ、ちょっと・・・あ、あのさ・・・悪いけど黙っててくれたほうが
眠れると思うんだけど・・・」
「え?」
それはね、リボンちゃんは歌がめたクソ音痴、ド下手だったからだな。
「まじで歌わないでいてくれたほうが眠れるから・・・」
「圭ちゃん文句ばっか・・・もういい」
そう言ってリボンちゃんは布団から出ようとした。
だから俺はすかさずリボンちゃんの腕を取って引きとめたわけ。
「私と一緒はイヤなんでしょ?」
「ごめん・・・俺が悪かった・・・君はち〜っとも悪くない」
「文句言わないから・・・だからさ・・・添い寝して、ね?」
「もう、どっちなの?・・・私、優柔な人キライ!!」
「俺のこと愛してるって言ったじゃん」
「そうだけど・・・」
「機嫌直してよ、ね、もうあれこれ言わないからさ、お願いだから」
「圭ちゃん・・・情けない人になってるよ」
「いいんだよ・・・俺って自分が不利な状態になるとすぐ妥協するタイプだから」
「リボンちゃんに嫌われたら僕はもう絶望感しかなくなっちゃうよ」
「大袈裟?、・・・でもそれはダメだよ」
「圭ちゃんはいつでも幸せだって思っていてもらわなくちゃ困るから」
「だったら添い寝してくれる?・・・子守歌はいらないから」
「分かった、じゃ〜一緒に寝ましょ」
「おっぱいが背中に当たるのがイヤなら前を向こうか?」
「え?前?」
前向きってことは俺のほうにリボンちゃんの顔が目の前にあるってことだろ?
息がかかるくらい・・・。
あ〜ダメだ・・・想像しただけで俺はダメ人間になりそう。
向かい合わせになった時点でたぶん、ずっとチューしてるよ。
「ダメダメ・・・前なんか向かれたら絶対我慢できなくなるよ」
「んもう、本当に文句ばっか・・・」
でも結局、リボンちゃんのデカおっぱいの感触が俺の眠気を妨げたことは
言うまでもないことだった。
これが毎晩続いたらまじ寝不足になるって・・・眠剤がいりそう。
つづく。
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