第6話:愛って?。

「愛のないハグやチューはいらないよ」


「え?いらないんですか?ハグもチューも・・・」


「あ〜いや、いらないってことはないけど・・・要するに愛だよ、愛」


「愛?」

「そうなの?・・・私に圭ちゃんに対する愛情があればいいの?」


「分かった、それも救済なら私、頑張る」

「今夜はさすがに心の準備が必要だから明日の朝までに完璧にして愛情

たっぷりで起こしてあげるからね・・・」


「だから救済とか関係なくさ・・・君の・・・リボンちゃんの本心が欲しいんだよ」

「それに一晩なんてそんなに早く気持ち切り替えられるもんなの?」

「一晩寝たからってすぐに人を好きになれるとは思えないけど?」


「う〜ん、たぶん大丈夫って思うけど・・・」


「なんだか不安だな」


「じゃ〜どうしろって言うの?」

「文句あるなら救済も彼女も解消しちゃうよ?」

「私はいいんだよ、最終的に救済できなくても・・・無理にでもエボンリルに

帰ったっていいんだから・・・一級天使に昇格できないだけなんだから・・・」


(わ〜〜〜〜?開き直った?)


「いやいや、ごめん・・・文句言って・・・君はち〜とも悪くないからね」

「リボンちゃんの思ったようにしてくれていいから」

「愛情がないなんて文句言って甘えるなって言いたいよね」

「なに言ってんのって感じだよね・・・あはは」


「どんなことも準備って必要なんだからね・・・分かってもらえたらそれでいいよ」

「じゃ〜明日の朝からってことで、いいよね?」


「うん、いいんじゃないかな?」

「って言うか・・・リボンちゃん分かってる?愛ってなにか?」


「あのね、私をバカにしてるかもしれないけど、愛については私だって

よく知ってるよ」

「一目会ったその日から恋の花咲くこともあるって」

「その人を見た瞬間に愛に目覚めることだってあるもん」


「あ〜それは分かるよ・・・俺自身、はじめてリボンを見た瞬間金縛りに

あったみたいに固まって、でもって魔法にかかったみたいに君を好きに

なっちゃったもん・・・あの時、俺の瞳はハートマークだったんだよ」

「ハートマークになってたでしょ?・・・見えなかった?」

「ことあるごとに俺の目からラブラブ光線出てたでしょ?」


「ラブラブ光線?ってなに?」


「だから君のこと好きです〜って目から愛の光線出してたの?」


「見えなかったけど・・・」


「そういうのはフィーリング・・・感じるものなの!!」


「面倒くさいんだね・・・」

「そう言うのはちゃんと言葉にして言ってくれなくちゃ分かんない」


「言ったじゃん・・・君のこと好きだって、俺はリボンちゃんのこと誰が何と

言おうと愛してる・・・」

「この前だってそう言ったけど・・・聞いてなかったの?」


「覚えてるよ・・・だから明日の朝までにって言ってるでしょ?」


「俺の気持ち告白したんだから、全面的に受け入れてよ」

「救済とかじゃなくてさ」


「分かった、圭ちゃんの気持ち全面的に受け入れるために頑張って明日の

朝までに愛を目覚めさせなくちゃ」


(ち〜とも分かってないじゃん・・・そういうのって頑張るとかそういうもん

じゃなくてさ、形じゃないんだ、そういうのは心の奥から湧き上がってくる

感情なんだよ)

(作ろうと思って作れるものじゃないんだ)

(だから、明日の朝って・・・今、そう言う気持ちがないなら無理だって)


つづく。




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