第2篇「until Dawn」

陰に翳り雲間から差す光を待って

遠く及ばぬ貴方の背中に恋をした


彷徨う指は幾度となく地を掴んで

膝から下は無いもののように

立ち上がることを拒んでいた


貴方は遠く及ばぬ光の柱

雲間からわずかに覗き見るだけが許された人


そう願わずにはいられなかったのです

そうであって欲しかったのです


影に努めて翳りを待ち

空気よりも重くて薄い鉛のように

存在しない何かになってしまいたかったのに


あぁ刺し穿つ光は慈悲を知らず

こんな太陽にも見捨てられたような孤独の淵さえ

照らしてしまおうと言うのですね


なんて無慈悲な人


ただ僕を僕のままに

軽蔑してくださればよかったのに


手は慈悲深くも伸ばされたわけではなく

ただ僕の意思というものを何よりも強く拒んで

何一つ選ばせぬ鋼の意思を持って

掬われるだけのネズミのように

ひょいと持ち上げてしまわれたのでした


僕はあまりにも惨めになって

あまりにも心臓を焼かれて

その瞳にまとわりつく陰影の中の亡霊として

一生を捧げてしまおうと誓ったのです


あぁかつて遠くにあったあの境は

貴方の光によって見るも無惨に焼かれ


越境


とうに叶わぬものとなって


僕を


ただ暗がりの中の石ころと

同じようにしてしまわれたのだ

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