第2話
ターニャ少佐の魔導師大隊が空中から敵の司令部を攻撃。指揮系統が混乱した共和国前線部隊へ機械化の進んだ8個歩兵師団計16万7千人が怒涛の如く侵攻を開始した。
ここで帝国軍はすべての部隊が戦闘車輛で編成された第666戦車連隊を投入。電撃作戦を決行。目前の部隊を撃破したら残敵を後からくる歩兵部隊に任せ、そのまま後方へ突進して包囲網の完全を急いだ。
作戦中新たに編成されたこの虎の子連隊はターニャ少佐が連隊長を兼務することになり、彼女は二階級特進して大佐となった。
魔導師大隊の航空支援の元、快進撃する666連隊。西北に630キロ前進したところでターニャは燃料と弾薬不足に気づいて停止した。
そこで後続の補給車輌が到着するのを待っていたところ、突如戦車から奇襲を受けた。
共和国軍も戦車部隊を編成していたのである。
ドコール大佐の戦車連隊の攻撃を受けターニャは撤退を決意。
西南へ30キロ退却しモンテブローの丘に部隊を終結させ陣地を築城した。
丘の上の陣地から首を出し双眼鏡で観察するターニャデグレチャフ少佐。側には副官、金髪碧眼のセレブリャコーフ中尉か控えている。
「どうやら共和国の戦車部隊は巻いたようだな」
「はい、彼らは重戦車で構成されているので我々のスピードについて行けなかったようです」
「しかし撤退戦で七両も喪うとはな」
「大損害ですね。貴重な戦車が……」
「うん、セレブリャコーフ中尉よく覚えておくがいい。電撃戦はスピードが命だか補給も考慮にいれて進撃しなくてはいかん」
「はい、肝に命じておきます」
ターニャの第666連隊はあまりに進撃速度が速すぎて敵中に孤立してしまった。補給部隊は遥か後方。今ある燃料と弾薬で味方が来るまで耐えねばならない。
「あの戦車部隊はどこへ行ったかな?」
「斥候を出しますか?」
「いや」斥候に出した兵が見つかった場合、こちらの所在を教えることになる。
第666戦車中隊ほ各中隊18両(4個小隊各4両及び中隊本部2両)および連隊本部2両の合計74両で編成されていたが、戦闘に参加してから半数の37両に激減していた。
ターニャは丘の各地に木の枝で偽装した戦車を隠し待ち伏せ攻撃に備えていた。また破壊された車輌から脱出した兵士を集めて二個小隊を編成し丘で陣地築城に当たらせていた。
「なんとか魔導師大隊に連絡して補給を受けられればいいんだか」
ターニャの持つ無線機を使えば敵に傍受される恐れかある。
「とにかく食糧と水を確保しないと」
「そうですね。どうします」
「仕方ないな。きみと私が軍服を脱いで少女の姿で食糧を探しにいくか」
「ええ~!」
「使えるものは全部使わないと。国際法で禁止されてるから見つかったら銃殺だけどね」
「村娘のかっこうですか?」
「私がきみの妹だ」
第666連隊 島風ひゅーが @11921192abc
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