第4話 シンプル・イズザ・ベスト

 必要な物が確定的に明らかとなった所で、早速作成に取り掛かる事とした。


 まず入れ物は、ダイソーにて200円で売ってるタッパーを買ってきた。


 こいつの蓋に色々取り憑けていく。


 サーモスタットは流石にそこら辺のホームセンターでは売ってないので、密林で購入した。


 ”W1209-WK デジタル サーモスタット”という安っぽい部品である。


 密林を利用ついでに、熱源である電気抵抗器も併せて購入した。


 100本束になって1000円であった。


 加えて、5㌢四方のpcケースファンも二つ用意した。


 最後にホームセンターへひとっ走りし、赤と黒の配線が二本セットになってるヤツとはんだを購入。


 ヨシ!

 早速作成開始じゃあ!


 と意気込んだはいいが、肝心のはんだごてが無いことに気づく。

(おせーよw)


 更にはファンと熱源を固定するボルト&ナットも無かった……。

 再びダイソーへとってかえし、はんだごてとボルトセットを買ってきた。


 ヨシ!

 今度こそ作成開始じゃあ!


 まずは熱源の電気抵抗を作るぞ!


 と意気込んだはいいが、今度は抵抗を固定する為の銅線が無いことに気づく……。


 段取り悪杉内なんじゃあ~!

(絶叫するぬこミーム)


 結局、またホームセンターに走って銅線を買ってくる羽目に……うぐぐ。


 紆余曲折あったが、今ここに材料が揃った!


 ヨシ!

 三度目の正直じゃあ!


 まずは銅線を切って大小のワッカ(架空のスポーツ選手ではない)に加工じゃあ!


 ……道具も無しにどうやって切ればいいの?

 

 ( ^ω^)……。


 勿論泣きながらダイソーに走ったのは言うまでもない。


 兎に角、銅線のワッカを作ったあと、これに電気抵抗を引っかけて行く。


 この作業は困難を極めた。

 なんせ、すぐポロポロ取れて固定どころではなかったからだ。


 暫く格闘するうちに、最初からグリッとワッカに巻き付けてしまえばいい事に気づいた。

 何とか取り付けも完了し、はんだを流していく……。


 しかしここで問題が発生!


 くせぇ!

 はんだ、くせぇ!


 アォーン! アォー!(フフッ、テーディー……グッボーイw)

 と泣き叫ぶぬこミームとなりながらも、何とか固定に成功する。


 すごくいびつな形ですけど。

 まぁいけるやろ、平気平気、ヨシ!


 これで熱源は完成した。

 これを長いボルトに取り付け、間にケースファンを噛ませてからタッパーの蓋にくっつけるのだ。


 おっと、ファンを憑けるなら穴をあけねばならんな……。

 はんだごてで溶かして開けてみるか……。


 しかしここで問題が発生!


 くせぇ!

 プラスチックの灼ける匂い、くせぇ!


 アォーン! アォー!(フフッ、テーディー……グッボーイw)


 いや、それはちょっと考えたら分かるやろ……。

 

 ともあれ、固定も完了した。

 いざ、試運転じゃあ!


 ……どうやって電気流すの?


 ( ^ω^)……。


 アォーン! アォー!(フフッ、テーディー……グッボーイw)

 

 電子部品は電化製品には”定格電流”という規格が存在する。

 アダプターとかの後ろに書いてる”15A 125V”っていうのがそうだ。


 この数値はどのくらいの電力を流していいかを示す。


 サーモスタット及び電気抵抗の定格電流は”12V”である。

 これって実は、ACアダプターに多く採用されている数値である。


 早速、物置に眠っている電化製品のアダプターを漁ってみると、11Vの物を発見!


 ブチッと配線を切断し繋ぎなおした所……。

 

 ブーンとファンが起動した!


 成功だ!


 だが、ここでまたもや問題が発生。


 熱源がちっとも熱くならないのである。

 

 この原因はサーモスタットの設定ミスである事が後に判明するのだが、この時の私にそれを看破する事は出来なかった。


 やむを得ずドライヤー方式を断念。


 電球とソケット、コンセント用コードを買いにホームセンターへと走るのであった……。


 とまぁ、この辺で時間切れとなり、残りの作業は後日に回すことに。

 さっさと風呂に入って飯を食って寝る。


 ……そして次の日。


 くせぇ!

 鼻の奥がくせぇ!


 アォーン! アォー!(フフッ、テーディー……グッボーイw)


 はんだの匂いが鼻にこびりつき、まる三日程悪臭に悩まされる事となった……。

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