第2話 準備
KO☆RE☆DA☆と早速思い立ったうp主であったが。
「で、何すりゃいいんだ?」
という事にやっとこさ気づいた。
(おせーよホセw)
必要な事は色々あるが……。
兎にも角にも喫緊の課題として、”卵から孵す”のが大前提である。
よって、まずは孵卵器にフォーカスする事とした。
漁った動画では、そこら辺のジャンクからでっち上げていたが、いざ自分でとなると話は別である。
そう都合よく材料が揃うはずもない。
”だったら買えばいいだろ!”という事で密林をピピピと検索。
市販の孵卵器をチェックしてみる。
するとどうだろう。
あっという間にリストが埋め尽くされたではないか。
こりゃ~ええわいと吟味した結果……。
以下の事がわかった。
・値段は大体5000~20000円位。
・性能は値段に比例する。
・ほぼ例外なくかの国製。
・値段が安いと転卵機能がない。
・すべての製品のレビューが低い。
凄惨たる内容である。
こいつぁヒデェ!
新たなる挑戦に年甲斐もなく、ウッキウキであったショタ・ソウルがしおしおと萎え去っていくのを感じる。
特にひどかったのは、孵化した直後のチックへの安全性についてであった。
とある製品のレビューにて。
「湿度調整用の水入れに、誕生したばかりのウズラのチックが転落、溺死した」
というものであった。
その製品はタッパーの様な入れ物をしていて、高床式みたいな感じで卵を置くステージがある。
ステージはモーターとギアによって左右に揺れ、容器側に等間隔で憑けられたつっかえ棒を卵へ引っかける形で自動転卵する仕組みとなっている。
(このスライド方式は業務用のでかい孵卵器によく採用されているようだ)
当然、底面にスペースが空くことになる。
そこを利用して湿度調節のための水入れとする構造なのだ。
これが曲者で、ステージと容器の間には結構な隙間が出来る事となる。
しかも、ステージには3㌢程の通気孔(?)が空いている。
ウズラのチックは、ここから転落したものと推測される。
ニワトリのチックならそれなりの大きさなので転落はせぬだろうが……。
それでも尚、この手の商品に対して安全性に疑問を投げかける声が後を絶たない。
別商品であるが、転卵用のつっかえ棒に引っかかってケガしよったとか、兎に角物騒である。
まぁ確かに、孵卵器というのは「卵」を「孵す」機械である。
実際、レビューに於いても卵はチックへ孵っている。
「機能は果たしていますがなにか?」とでも言わんばかりだ。
間違ってはいないのだが……。
これは……ねぇ……。
恐らくは生涯に於いて一回しか使わないであろう物の為に少なくない金額を支払う訳にはいかぬ。
「ウーム……。こりゃちょっと買う訳には参らんな……」
となればどうするか。
「卵は転がさない、チックは殺す! こんなのただの低温調理器よ!」
「だったら作ればいいだろ!」
とまぁ、こういう筋肉理論となるのは確定的に明らかである。
頭を抱えて泣き叫ぶキトゥンミーム状態になったうp主。
再びchromeを勃ち起げ、足を引きずり、視聴履歴を只管踏みしめるのであった……。
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