うp主の思いつきでうっかり誕生してしまった烏骨鶏の飼育記録

波乗りとびー

第1話 きっかけ

 2023年は十月の某日。


 うp主は夜勤を終えて帰宅していた。


 勤め先は変則的な4勤務2休のシフトでもって回っていて、夜勤が明けると3連休となる。


 具体的には、昼勤4日→休み→夜勤4→3連休→昼勤……というサイクルが続く。


 当然、シフト上に土日や祝日があったとて出勤せねばならぬ。


 傍目にはキツそうに見えるが、実は平日出勤のスタイルよりは楽だったりする。


 平日に休めるし、何より勤務が4日で終わるからである。


 とはいっても、楽な仕事等ないのは何時の時代に於いても、洋の東西を問わず、当然の事である。


 しかも夜勤という事で、この日のうp主は疲労困憊。

 ドロドロに溶けてスラーム状態。


 風呂に入り、朝飯(体感的には晩飯)を喰らい終わって、完全にだらけモード。

 尻はどっしりpcのモニタ前に落ち着き、自らの意思で動かす事は敵わぬ。


 そうなれば当然、pcを操作して何かをする訳だが……。

 そんな事はなく、chromeを勃ち起げ、勝手にオヌヌメされた動画を垂れ流すのみであった。


 この様な事は余人にも覚えがあるのではなかろうか?


 閑話休題それはさておき、うp主はゲームが趣味なのだが、オンラインゲームは時間及び金銭的に継続がキビしいためこれを禁じ。

 また、ゲーム機も、一時期窮乏していた際、GEOに売却してしまって手元にない。


 pcはあるのでゲーム自体を遊ぶ事は可能ではあるが……。


 肝心のsteamは血なまぐさい洋ゲーばかりでやる気も勃たぬ。

 レゲー配信サイト等も、ラインナップが渋リン過ぎて食指が微動だにせぬ。


 有体に言うとホビーロストであった。


 そこで新たなる趣味をということでカ・クヨムやらナ・ロウやらに小説の投稿を企てるも、創作の難しさに日進月歩であった。


 よって割と心神喪失状態。


 刻を恨んで沈む夕日に叫ぶものの、月はうp主をあざ笑うのみ。


 何時か強ぇヤツになる為に、夢中になれる事が欲しい……。

 そんな事を常日頃から考えていた。


 この日も、足を引きずるようにして灼けたメモリに視聴履歴を虚しく影刻んでいると……。

 

 オヌヌメリストの中にある一つの動画が、ふと、目に留まった。


 それは、わーくに以外の国でうpされたもののようだ。

 随所にハングルが見受けられたので、隣国のものであると思われる。


 興味本位で再生してみると……。


「むっ!? なんだこれは!? ペットボトルの中にチックが犇めき合っておるではないか!?」


 モニタの中では、ペットボトルの中に入れられた卵からチックが雑な感じで孵っている様子が映し出されていた。


 謎の液体でズルンズルンになったチック共が次々に殻を破って這い出して来よる。


 あれよあれよという間に、ペットボトルは十数匹のチックでギチギチとなった。


 その後、早回しで製作過程を見せてくれた。

 見る限りでは、仕組みはそれ程難しくはないようだ。


 動画の主と思われる人物はチック共に給餌。

 後、連中を表の道路に引き据え、チック走りさせる様を堪能。


 その時、付近でカラスが狙っていよるのを発見!

 慌ててチック共を自宅へ格納。


 動画はそこで終了した。


 ほう、中々面白いではないか……。

 そう思いながら他の動画を探してみると。


 大体似た感じのものが多数ヒットした。


 そうして次々に見ているうちに。


 KO☆RE☆DA☆と、ろくでもない閃きを得た!


 これぐらいなら出来んじゃね?

 いや、むしろ自分でもやってみてぇ!


 そう思い立ったが吉日。

 更に動画を漁り、必要な情報を集め始めるうp主であった!


 ……恐らくこれが、うっかりこの世に生まれ落ちちまった雑バード共の悲劇(?)の始まりであったと思われる。




 

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