第2話 美少女とカラオケで相席!? そりゃあカッコつけるでしょ!
これは夢なのか?
俺は両手で目を覆って、時折指の間から横に座っている美少女に目をやる。
髪は桃色のロングヘアーで瑠璃色のクリリとした目、淡いピンク色の唇に端正な顔立ち。
オフショルダーの服を着ており、剥き出しの素肌にどうしても目が行ってしまう。胸も大きく服と密着してその輪郭を浮き立たせている。
使っている香水も物がいいのか上品な匂いがする。
彼女はたじたじしている俺を見て少し困惑とした表情を浮かべている。そんな彼女の表情が堪らない。
どうしよう……。こんなに可愛い人と薄暗くて狭い空間に2人きり……。ああ……、緊張する。
俺は今までモテたこともないし、女子ともまともに話したこともない。ましてやいきなり2人きりでカラオケなんて……、ハードル高すぎやしないだろうか。
そうして俺が中々口を開かずにいると新藤さんが一言……、
「あのう……、歌わないんですか?」
その言葉にドキッとした。
「いや……、いいや歌います! ちょっと待って下さい! 何にするか迷ってるんですよねー」
慌てて手元のタッチパネルを手繰り寄せた。
こういう時、どんな歌を歌えばいいんだ? 本心を言うとボカロやアニソンを歌いたいが、もし新藤さんがそういうのに疎かった場合、気まずい雰囲気になるだろう。
とは言え、恋愛ソングの類いも何か俺が好意を持っているだとか勘違いされそうで嫌だし……、いやそれは嘘とは言いきれないけど初対面だからなるべく無難な曲を歌いたい……。
でも、俺最近の流行りとか王道の曲あんまり知らないんだよなぁ……。クソォ……、こういう時のために何曲かは覚えとくべきだった。
でも知らなくてダサいとか思われたくないし……。
その時脳裏に一筋の光が差し込んだ。
あ、男性アイドルグループの歌とかどうだろう? 確かそういうの好きな女子多いし、昔音楽の授業とかクラスのレクリエーションで練習した曲もあるからいけるかも!
よし、これにしよう!
「決まりました! これにしようと思います!」
俺は四代目G SOUL BROTHERSの『K.Y.O.U.S.E.I.』を歌うことにした。
「え、そんな難しい歌歌えるんですか? 凄いですね……」
新藤さんは少し驚いたような表情を浮かべた。
「昔学校の授業で練習したんですよ。歌詞がちょっと微妙だけど、頑張れば……、行けるかも……、です!」
自信はあまりない。しかしやるしかない!
男、増田、行っきまーーーーーす!
歌唱後……、
――――――――58.234点
AIコメント『カスみたいな歌い声ですね。コメントするのも
五角形ちっっっっっさ!
撃沈した。しくじった。これ、中学の組体操の時流れてたやつだった。
全然練習とかしてなかったし、完全に記憶違いだった。授業で練習してたのは
しかし、そんなのはどうでもいい……。カッコつけた結果空回りしたのが一番恥ずい。
ああ、穴があったら入りたいよぉ……。せっかくアピールするチャンスだったのに幻滅されただろうなぁ……。
彼女の方を見るのがとても怖かった。
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