第38話

【テスター視点】


 囚人の自白が落ち着き久しぶりに学園に来た。

 目的は嫉妬の強いアリシアさんを抑える事だ。


 ホームルームの前にアリシアさんは私のまたこの部屋

「ヤリスとナニをしているんですか?」

「アリシアさんの考えている事ときっと同じです」


 ここからアリシアさんが怒りだして話が進められなくなった。


 1時限目は魔導士がアリシアさんを呼んで説得を開始した。

 魔導士が出てくる。


「説得に失敗しました」

「お疲れ様です。私でも無理でしたから、気を落とさないでください」


 2時限目は文官の方がアリシアさんを説得して失敗した。

 3時限目は大臣が来て説得して失敗した。

 4時限目、午後からは私とヤリス君がアリシアさんを呼ぶ。


「アリシアさん、私にまたこの部屋を使わせないでください」

「認めませんから」

「そうですか。一応説得しますね。無駄だと思いますけど」


 アリシアさんは私を睨みつける。


「アリシアさん、ヤリス君は剣聖アンカーを奴隷にした国の中核を担う人物となっています。ヤリス君の重要性は戦士を超えています。肩書は見習い戦士、そういう事にはなっていますが実際にはその上に位置します。アリシアさん、もう諦めましょう。ヤリス君を独占するのは無理です」

「認めません」


「ヤリス君の治癒力アップの力があったおかげで私は何度も魔法を使いました。その事で囚人の自白を効率化出来て王政の効率は上昇しました。ヤリス君さえいればもっともっと国を豊かにする事が出来ます」

「認めません」


「剣聖アンカーを奴隷にする事が出来たのはヤリス君の功績です。分かりますよね? ヤリス君にはもっともっとレベルアップしてもらう為多くの亜人スキル持ちが生命力を効率よく吸って亜人スキルを持った女性を更に強くする使命があります」

「認めません」


「そんな思考停止のようにただただ『認めません』ばかり言うのはやめましょう。ただ否定するのはやめて一緒に考えましょう」

「認めません」


「分かりました。王から説得をするように言われはしました。学園に来てから様々な人が説得を試みて、最後に私が説得をしましたがアリシアさんは聞く耳を持ちません。拘束」


 アリシアの両手両足についたリングから鎖が発生してアリシアを壁に張りつけにした。


「な、何をする気ですか! 鎖を解いてください!」

「ダメです。アリシアさん、実は説得が無駄な事は分かっていました。王の命令を守る為、わざわざ大臣まで出て来てアリシアさんを説得したのですよ。それでもやはりアリシアさんは説得に応じませんでした。アリシアさん、王からはこうも言われています。もし説得に失敗すれば強引な手を使っても良いと」


「な、何をする気なのよ」


「そうですね、何だと思います? アリシアさんを何度も説得している姿をみんなに見せ続けてきました。その姿をみんなに見せてアリシアさんが大臣の説得すら無駄だったと噂を流させる、ここまでしてアリシアさんにやろうとしている事は何だと思います?」

「……」


「アリシアさん、なんとなく分かってきましたね? そう、非人道的な行為です。正直に言います、アリシアさんが敵なら楽でした。そういう行為をする事のハードルは下がりますから、でもアリシアさんは皆を癒し、モンスターを倒し、実力もありあなたのファンも多い、本当に厄介でした」

「……」


「答えはこれです」


 私が淫紋の札をアリシアさんの目の前にかざすとアリシアさんの表情が引きつった。


「こ、こんなものを、私に!」

「そうです、こんなものを、この国の人は皆そう思うモノをアリシアさんに付けます。ですがもうみんなは『アリシアさんにこんなモノをつけるの?』とは思いません。皆が思うのは『アリシアさんは大臣の説得を断わって国益を損なっているからつけられても仕方ないよね』です」


「それは人に付けるものじゃないわ!」

「ええ、本来はそうです。苦労しましたよ、王都にも、あなたの故郷にも何度も何度も噂を流しました。正確にはお願いして流してもらっているんですけど、それだけでも多くの費用がかかります。それでも必要、そう王に思わせるほどヤリス君の国益アップ効果は凄まじいんです。もちろんアリシアさんには絶対に協力して貰わなければいけません、アリシアさんはレアスキル、バンパイアを持っていますからね」


「……」

「アリシアさん、あなたはヤリス君を独占しようとしすぎました。最初から協力して欲しかったです。ですがもう時間切れです、アリシアさんに淫紋を貼りつけて、そして快楽による暴力で従って貰います。もう途中から協力しますと言っても無駄です。アリシアさんは淫紋を付けられて降りてこられないような恐怖を感じます、でも大丈夫です、ヤリス君に注いでもらえば治癒力アップが発動して状態異常になるほどの恐怖は受けません、ですがずっとずっと回復して消耗できないまま恐怖を受け続けます。長く、いつ終わるか分からない状態異常になる寸前の恐怖、女になり続ける恐怖を味わいましょう」


「淫紋は張りつけただけでは定着しないわ!」


 淫紋は張りつけてから一定期間内に3回絶頂しなければ定着できない。

 そして淫紋のタイムリミットはお互いの信頼関係が強いほど長くなる。


「ヤリス君の事を信頼していますね? これ以上おとなしくしないとヤリス君も厳しい立場に立たされます、強引にアリシアさんを従わせなければいけないほどにヤリス君は追い詰められていますよ。考えてもみてください、ダイヤの原石がそこにあるのに国がそれを取りに行かないと思いますか? ヤリス君の事を本当に思うのなら、おとなしくヤリス君に淫紋を貼られて屈しましょう」


「その言い方は、ずるいわ」

「ええ、そうですね。ですが強いアリシアさんを弱い私が何とかする必要があります。強いアリシアさんに対抗するにはここまでしなくてはいけません。さあ、ああ、ヤリス君、もうズボンがきつそうですね、アリシアさんと1つになってすぐに気持ちよくなりましょう」


 私はヤリス君の服を脱がせた。

 そしてアリシアさんのパンツ、その舌部分だけをナイフで割いた。

 アリシアさんのパンツは隠せていない腰布になり下がった。


「これで1つになれます、さあ、始めましょう」


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