第20話

 アリシアは固い壁に張りつけにされるように拘束されている。

 両手足には拘束用の魔道具が付けられてそこから鎖が発生して大の字の体勢を強要されている。


「こ、これは流石に、やりすぎじゃないですか?」

「強くて言う事を聞いてくれないアリシアさんはこうやって縛らないと弱い私では抑えきれません。私が気絶させられてしまいます。違いますか?」


「い、いやいや、テスター先生は十分強いでしょう」

「私は状態異常とエッチな魔法しか使えませんから弱いですよ」


 エッチな魔法と聞くだけで体が熱くなる。

 今は静まれ!


 なんだろう、テスター先生が本当に戦って弱いのかどうか疑わしい。

 それに発言力の1点で考えるとテスター先生は十分強い。


「テスター先生、なんか、ずるくないですか?」

「ずるくありません。アリシアさんが強い事はみんな知っていますし学園外でもアリシアさんは有名です。私はどちらかと言うと裏方的な感じで目立ちませんから」


「と言う事にはなっていますよね? 表ではそうです」

「ほら、見てください、拘束具を4つもつけているのに、もう魔道具の光が弱まってしまっています。やはり強いアリシアさんはしっかりと縛らないとダメですね。アリシアさんの生命力を吸います」


 テスター先生がアリシアの唇にキスをしようとするとアリシアが牙を見せて噛みつくように口を開いた。


「危ないです。口で吸わせて貰えないなら弱い私は違う所で吸うしかありませんね。胸と下のお口、どっちがいいですか?」

「はあ、はあ、ふざけ、ないで」


「では両方からいただきます」


 テスター先生の指がアリシアの体を触る。

 その瞬間にアリシアが体を仰け反らせて声をあげる。


 ガチャンガチャンガチャン!


 ガチャンガチャンガチャン!


「いい反応です。ヤリス君に女にして貰う為には必要な才能ですよ」

「はあ、はあ、卑怯、よ」

「いいえ、私はエッチな部分からしか生命力を吸えません。私では強いアリシアさんを抑えきれません。なのでこうやって何度も何度も生命力を吸って魔道具に魔力を補充します。拘束が弱まれば魔法を使われてしまいますから。アリシアさんの生命力を吸えたおかげで魔道具に魔力を補充出来ました」


「このリングを外して」

「ダメです、だめですよ。アリシアさんが暴れてしまいます。ヤリス君とヨウコさんのキスを認めてくれますね?」

「ヤリスは、渡さないわ」


「仕方がありません。アリシアさんには少し静かになって貰います。ヤリス君、生命力を貰いますね」

「いいですけど、アリシア」

「ありがとうございます」


 テスター先生が俺の唇を塞ぎ、会話を終わらせた。


「ん、はむ、んん、はふん、ぐっちゅ、ちゅば」


 テスター先生の舌が入ってくる。


 アリシアが叫びながら鎖をガチャガチャと揺らした。


「はあ、はあ、いいです。酔うような濃厚な生命力、いいですよお、はあ、はあ」

「ヤリスに近づかないで!」

「ダメです、静かにしましょう」


 テスター先生がアリシアの下着に指を滑らせる。

 そして魔力を注ぎ込んだ。


「発情してください」


 アリシアが仰け反り、声をあげ、鎖を鳴らす。

 よだれを垂らして静かになった。


「や、やりすぎです!」

「でも、ヤリス君、アリシアさんを見て興奮していますよね?」

「そ、それは……」


「いいんですよ、性欲は大事です、ハーレムを作るなら特に大事です。アリシアさん、まだ意識があるようですね。弱い私程度の力では強いアリシアさんを抑えきれませんでしたか。ヤリス君、また貰いますね」


 テスター先生が俺にキスをして魔力を回復させてアリシアに発情魔法をかけた。


「はあ、はあ、また、魔力を使い切りました。ヤリス君、また貰いますね」


 テスター先生はまた俺にキスをして生命力を吸い取る。

 サキュバスのキスは生命力吸収に時間がかかるようだ。

 テスター先生は完全回復しないでちょっとずつ俺から生命力を吸っているようにキスをしているように見える。


「今度はヨウコさん、ヤリス君とキスをしましょう」


 ヨウコは俺に近づいて匂いを嗅いだ。

 そしてコクリと頷く。


「い、いいのか?」


 ヨウコがコクリと頷く。


 真顔のまま顔が近づく。


 ドキドキする、でも、テスター先生のディープキスよりはいいだろう。


 真顔で凛とした雰囲気のヨウコなら大丈夫だ。


「あむ、くちゅ、ごぼあ、はあ、あむ、あん、ふぁああ、くぼおお……」


 長いキスが続いた。



 ◇



 キスが終わるとヨウコの肌が酔ったように赤くなり目がとろんとして眠そうにする。


 ヨウコのキスは予想よりも野性的だった。


 普段話さないのにキスの時は声が出るし声が大きい。


 それに、凄い吸い取ってくる。


 凛とした表情が一気に変わって俺を求めるようにキスをしてくるその姿にゾクゾクする。

 あのギャップが良すぎる。


「生命力不足からいっきに生命力が体に流れ込んだことで少し眠くなってきたようです。座って休みましょう」


 だがヨウコは腕で俺を引き寄せようとする。


「まだ駄目です。今の状態で満足するまで吸えば眠ってしまいますよ。こまりましたね。アリシアさんは発情してヨウコさんはヤリス君の生命力を求めて眠くなってしまっています」

「……」


 いやいや、全部テスター先生が原因だから!


「会議のまとめを今話しますね」


 アリシアの肌が赤く染まり、よだれを垂らしながら虚ろな目をしている。

 ヨウコは酔ったように俺を見つめている。

 目の前にはテスター先生が俺の両手を握って見つめる。


「ヤリス君、よそ見はダメですよ。私の目を見て話を聞いてください」


 そう言って体を押し付けてくる。


 く、俺の理性がおかしくなりそうだ。




 あとがき

 中世ヨーロッパ風の国が主人公を強引にハーレムルートに進ませる流れはありはします。

 ただ基本はご都合主義のお色気ファンタジーが始まる展開です。

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