第5話ファミレスのバイト義妹と後輩がやってきます
その日の授業も終わり帰る準備をして俺は急いで教室から出ていこうとすると海堂から声をかけられる。
「おーい、そんな急いでどうしたんだよ。また漏れそうなのか」
「今日これからバイトだから急いでんだ、じゃあな海堂また明日」
「おーう、バイト頑張れよ」
交通事故で育ての両親を亡くした俺は一年生の頃からバイトしていた所でここ最近は毎日放課後から夜遅くまでバイトを頑張って金を貯めていた。
両親が残してくれていた生命保険や貯金で何とか雫と一緒に生活できているが、今後の事も考えてもっと金を貯めておいた方がいいと思い毎日バイトをしている。
「いらっしゃいませ~お客様少々お待ちください」
ファミレスのバイトは学園から歩いてそう遠くないのでたまに放課後終わりにやってきた学園の制服を着た生徒達を見かける事もある。
「いらっしゃいませって雫に亞麻寺か」
「ね、言った通りでしょ」
「え~雫ちゃんに聞きましたけど本当に先輩バイトなんてしてたんですね」
雫は俺がバイトしているのは知っていたが中学に通っていた頃は通学が反対側だったので平日は来ていなかったがたまの休日に中学の友人などとおしゃべりしにこのファミレスに来ているのは目撃していた。亞麻寺とは連絡のやり取りはたまにしていたがバイトしている事は言っていなかったので驚いても仕方ない。二人を席に案内してすぐに他のお客様に呼ばれたので注文を聞きに他の席へと急ぐ。
「お兄ちゃんがバイトで今日は夜遅いだろうからここでゆっくり夕飯でも食べようって咲ちゃんと決めたんだ」
「そうなのか、亞麻寺の家ってたしか門限とかあるからてっきりそういうのに厳しいと思ってたが」
雫と亞麻寺が注文したオムライスとハンバーグステーキと小盛のご飯の皿を持って俺は
亞麻寺に勉強を教えていた事があった頃はたまに夜遅くなる時があったので亞麻寺はその時お母さんかお父さんに連絡していた、その時に亞麻寺に話を聞くと門限の時間が決まっているらしい。
「あ~実は今アパートを借りて一人暮らしを始めたんですよね、まぁ親には大反対されましたけど最後は認めてくれたので。なのでもう門限に縛られずに自由に過ごせるんですよね~」
「一人暮らしかたしかに誰にも縛られずにしたい事はできるが、それは色々と大変そうだな」
「おーい本間君、そろそろ忙しくなる時間だし学園の知り合いと話をするのは結構だがサボるのは関心しないなぁ」
俺が話をしているのに気付いた店長が注意しにきたがそこまで怒っている様子はない。
「悪い雫に亞麻寺もバイト中だから、とりあえず俺はこの辺りで」
「あ、いえ私達の方こそバイト中なのに話し込んでしまって申し訳ないです」
「そうだね、ごめんねお兄ちゃん。それよりお兄ちゃん帰ったらお兄ちゃん用に夜ご飯作っておくけど何か食べたいものとかある」
「あ~なんでもいいよ。雫の作る物ならなんでも美味いし」
「もう、そういうの一番困るんだから。なら作ったらラップして冷蔵庫に入れておくからまた帰ってきたらチンして食べてね」
「ああ、わかった。それじゃまた」
俺は雫と亞麻寺の机から離れ他のお客様の皿を片付けたり注文などを聞いたりしてたまに雫達の様子などを見に通りかかったら、一、二時間後には雫達の席に他のお客様が座っていたので二人ともいつの間にか夕食を食べ終わりファミレスから出ていっていたらしい。
それからまた二、三時間経つとファミレスのバイトを終える。
「店長お疲れ様でした」
「あ、本間君おつかれ~」
スタッフルームから着替えて店長に別れの挨拶をして。俺はファミレスから外に出て腕時計で時間を確認するともう既に夜十時を回ろうとしていた。
「とりあえず帰るか」
ファミレスから家までの帰り道にコンビニに寄ってスイーツを雫と俺の分と二つ購入する。
「ただいま~」
玄関の扉を開けて俺は靴を脱いでリビングへと向かうリビングに着いて電気をつけるが誰もいない。さすがに雫ももう自分の部屋に戻って寝ていてもおかしくない時間帯なのでコンビニで購入したスイーツは明日にでも雫に教えてあげようと冷蔵庫に入れようと冷蔵庫を開けたらラップに包まれている皿を見つける。
スイーツを冷蔵庫に入れてそれを冷蔵庫から取り出すと美味しそうな唐揚げが添えられていた、皿の上にはメモも残されておりレンジで温めてねお兄ちゃん♡と雫が書き残していた。
残っていたご飯を皿に盛って俺は雫が作ってくれた唐揚げをレンジで温めて俺は雫の手作り唐揚げを食べた。その後すぐに風呂に入りバイトの疲れを癒すとすぐに部屋に入って部屋着に着替えてそのままベッドに横になり一日分の疲れが溜まってすぐに眠気が襲ってきてそのまま目を瞑った。
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