第2話新入生二人がかわいいと噂されているのを聞く
学園に近付くにつれて門の前に先生達が慌てふためいた姿でウロウロしていた。
そして俺達が門の前に近付いて気付くと俺の事を押し退けて隣を歩いていた皇鈴の前に駆け寄る。
「どうも、どうも皇鈴様。担任の先生からまだいらっしゃっていないと連絡を受けて心配なさっておりました」
皇鈴に話しかける男には見覚えがある確かこの学園の校長だった気がする。
「それはご心配をおかけしたようで申し訳ありません。学園までの道が分かりませんでしたのでそちらの方に方に学園まで案内していただいておりました」
皇鈴が頭を下げて校長に謝ると俺の事を校長に話したすると校長は不思議そうな顔をする。
「そうなのですか。ああ、そこの君彼女を連れて来てくれた事には礼を言うが早く教室に行きなさい授業はとっくに始まっているよ」
さっきの皇鈴に見せた態度とはうって代わり校長に言われた俺は門を通り校舎へと入っていく、腕時計の時間を確認してあと数分で一限目の授業が終わりにさしかかっていた。なので俺は教室へは向かわず用を足しに授業が終わるまでトイレでサボっていた。
一限目の授業が終わった時間を見計らい、トイレから教室へと入る。もう既にこの教室ではカーストが出来上がっており各々友人達と話し込んでいて俺が教室に入ってもクラスメイト達は気付かない。
「よう、新学期初の授業で堂々と遅刻するとはさすがだな」
だが一人の男子生徒だけ席に座った途端話しかけてきた。
「おい、おい。無視するとか酷くないか」
「別に……」
こいつの名前は
「まぁ、どうせいつもの人助けで遅れたんだと思うけど」
海堂はやれやれと呆れ顔をしているがその通りなので何も返す言葉すらない。
「それよりも、昨日からこの学園で噂になっている事があるんだよ」
「噂?お前普段はそんなの気にもしないだろ」
「いやぁお前は気になると思うぜ、何せ鈴ちゃんに関する事なんだから」
「一応話だけは聞こう」
俺の前の席の生徒は数分前から席を外していてこいつはそのままその席に座ると話始めた。
「なんでもこの学園に二人のかわいい女の子が入学してきたらしいって今じゃ学園の学年全体で噂になってるんだよ」
「二人? その一人が鈴としてもう一人は?」
「大金持ちで有名な皇財閥の娘だって噂だ」
それは多分さっきまで行動を共にしていた女子生徒の事だろう。だから校長が生徒に媚びた感じで話していたのに納得する。
「それで、まさかその二人がかわいいってだけで噂になってるわけじゃないだろ?」
「いやぁ……お前の言う通りその二人がかわいいずきるから噂になってるんだよ。しかも二人のうち一人は財閥の娘もう一人は芸能人で学園の入試の成績では主席と二番目の成績で入学してるって噂だ。だから今その二人が学園の話題でもちきりなんだよ。……ってなんだよその顔?お前義妹の鈴ちゃんが噂になって嬉しくなさそうだな。ああ……そっかそっか。お前シスコンだからほかの奴が妹の話してるの嫌なんだろ」
「そんなんじゃねぇって、それに俺はシスコンじゃない!!」
「はい、はい」
こいつは薄ら笑いを浮かべていたが俺はあの皇鈴という女子生徒の事を考えていたが、海堂の薄ら笑いに腹が立ったので席から立ち去る前に海堂にはいいおまじないを知ってるからおでこを出して目を閉じろと言う。
海堂が何の警戒もなく目を閉じてでこを出すと俺はマジックペンを使い海堂のおでこにマヌケと書いてやった。
「お前なぁ……」
海堂は持っていた手鏡で確認するとすぐに教室から出て行く、きっとトイレで流すつもりだろう。
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