第9話 オダジマとファミコン 凡庸な新君主「周美弁徳」と性格最悪な天才美女軍師および脳筋アホ将軍

 わたくしは今、自宅でスーパーファミコンをやっております。「スーファミって、一体いつの話してんのよ」とお思いかも知れませんが、九四年に買ったスーファミが未だに現役で動いているのです。もう二七年ですか。ソフトをガチャンと入れてスイッチオンするだけなので、構造が単純な分、長持ちなのだと思います。


 大学時代と司法試験の受験時代は勉強一色でゲームなどできなかったものですから、社会人になって突如ゲーム欲が噴出し、女房と一緒にドンキに行って、「フフフ、今では自分のお金で買えるぜ」と大人買いして、以降、昼も夜もゲーム三昧の日々を過ごしておりました。その間、ダビスタ96で生産した「ブルーサンダー」という馬は、ファミコン通信(雑誌)に、「この馬すごい。怪物だ!」と取り上げられたりしたのはいい思い出です。そりゃ五〇〇頭も生産したら、一頭くらいスゴイの出てきますって。


 さすがに三ヶ月くらいでやや熱も冷めましたが、今でも本体がテレビには繋いであり、時々「あー、あれやりたい」と思うと、ソフトを引っ張り出して楽しんでおります。もちろん、スーファミ後にプレステだのなんだのも沢山買いましたが、映像が華美になってもすぐ慣れてしまいますし、激遅ロード地獄にも嫌気がさしました。私にはスーファミくらいが丁度よいようです。


 わたくしは、ゲームはじっくりやりこむ派で、RPGを中心にやっており、シューティングやアクションものは全然やりません。各キャラのレベル上げも究極レベルまで高めてから次に行くので、ラスボス戦なんて集団リンチみたいで、魔法使いの女の子がエリクサーを使うまでもなく、「あれ? もう終わり?」って感じで拍子抜けですが、そういうのが好きなんです。


 今やっているのは、「三国志Ⅳ」です。有名な「劉備玄徳」をマネっこして「周美弁徳」というニューキャラを作って何度も中国を制覇しました。

 ニューキャラは割り振ることの出来る能力値の総量が決まっていますが、周美のような君主は、毎月やることが多いので、どうしてもバランス型にせざるを得ません。特に人材のスカウトが大事なので、魅力値が高い方がいいのですが、魅力を九〇にしてしまうと、武力六五、政治力五五などという、なんともつまらない人になってしまいます。君主じゃなかったら、ずっと新田開発やらされたりしそうです。


 将軍は武力九九、軍師は知力九九にするのがお約束ですが、そうすると他の能力値が割をくって、極端なキャラにならざるを得ません。


 周美軍の軍師は、女房の名前を取って「那緒美(すごく似てるが仮名)」という美貌の女軍師なのですが、知力と政治力を九九にしたところ、魅力が二三になってしまい、大変な性悪女になってしまいました。なにしろ忠誠心が乏しいものですから、合戦の最中にも、「あれ? 那緒美がいないぞ」と思うと、「アナタぁ、ごめんなさーい(笑)」とか不二子ちゃんみたいなこと言って(実際には言いませんが、そんな雰囲気)、いつの間にか敵の軍師になってたりするので、油断も隙もありゃしません。

 しかも、まずいことに悪魔的に頭がいいものですから、落とし穴だの火責めだの同士討ちだの、周美軍大混乱です。それで、満身創痍になって、やっとのことで敵軍を撃破して、「コノヤロー!」と那緒美を捕まえると、なんと「さすが周美様は見る目があるわね‥‥‥」とか言って(これはホント)、アッサリ戻ってくるではありませんかっ!

 周美様、もはや怒りを通り越して呆れつつも「もう裏切るなよ」とか言って、名馬とか名刀とか与えて忠誠度をあげ、また軍師に任命することになります。


 将軍も似たようなもので、武力と統率力を九九にすると、どうしても知力が二〇ちょいになってしまいます。いわゆる脳筋武将です。周美軍最強のズンコ(漢字忘れた。コは虎でした。同僚の女弁護士からとりました。すんません)は、何しろ頭が悪いものですから、ちょっと挑発されると「なにおう!」とか言ってすぐ一騎打ちをしてしまい、もちろん勝つのですが、それで体力が半分になってるのに、ちょっと悪口言われると、また「なにおう!」とか言って飛び出して行ってしまうので、「ああ、またズンコが‥‥‥」と思っているうちに捕まってしまいます。


 とまあ、そんなことを繰り返しているうちに、徐々に人材も集まり、支配地も広がってきます。支配地が半分を超えると、もうそのあとは作業です。圧倒的な兵力と財力であっという間に併呑して行って、すぐエンディングになります。あんまり面白くありません。那緒美もズンコも最後の方は知勇兼備の優秀な人材(趙雲、周瑜など)に埋もれがちになりますが、この二人を駆使して何とかしていた頃が一番面白いですね。

 やはり、スポーツでもなんでもそうですが、ちょっとずつ上手くなっている、軌道に乗ってきた、これからがんばるぞ! ってくらいの時が一番面白いようです。ゴルフで言えば一〇〇前後くらいでしょうか。

 ゲームの話は、まだまだ話し足りないので、また機会を改めてお話ししたいと思います。


→ このブログ記事は二年前くらいに書いたのですが、今になってよく考えますと、魅力値は、偽玉璽を入手すれば自動的に一〇〇になるので、魅力は二〇でいいから、それ以外の能力値に割り振って君主を作ればよかったとも言えますね。まあ、袁術をやっつけて偽玉璽を手に入れるまでは人材確保に苦労するかも知れませんけど。

 それにしても、なんで偽玉璽で魅力一〇〇になるのかは謎です。もともと玉璽なんて神通力あるはずないんだから、偽だってなんだって「ウチの殿は玉璽持ってるぜ」というのが大事なんでしょうかね。そんなんで人的魅力が満点になるなんて、到底思えないですけどね。

 

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