8.『ほのかたらう僕らは普通になれない』(著:牛河かさね)

 <作品URL>https://kakuyomu.jp/works/16817330653299322677

 【ジャンル】SF 【連載中】149,827文字

 【セルフレイティング】暴力描写有り/ 性描写有り


 すみません💦

 こちら公募用という記載をあらすじだったかで拝見した気がしたのですが、今見たらなくて……私の勘違いだったかも?

 公募のつもりでちょっと厳しめの感想にしてしまいまして、ご不快に思わせてしまったら本当にすみません(。>ㅅ<。)


 引きこもりの少年を救う、という暖かいテーマに溢れた作品です。

 瑠璃乃というキャラクターは愛らしく、読者の共感も呼べるのではないでしょうか。特に、永遠の心理描写が丁寧で、永遠を応援したくなることこの上なし!

 ストーリーの流れも、弱い心を持つ永遠が少女と手を取り合いながら巨大な敵に立ち向かう、という王道エンタメストーリーです。

 SF素人の私に気の利いた表現が出来ず大変遺憾なのですが💦💦

 パワードスーツとか、戦う少女、巨大な敵との戦闘……などなど、大変熱い要素が盛りだくさんですので、是非とも読んでみてください^^


 次に、公募目線で書かせて頂きます。


 これはなかなかシビアなテーマだなぁと、まず思いました。

 筆者様が伝えたいことは受け取った……つもりでいます(違っていたら教えてくださいね💦)。

 引きこもりの少年が自分の足で再び歩き出そうとする青春ドラマのようですね。

 で、これがただ精神的な意味だけでの引きこもりなら、全然何の問題もない明るいテーマだと思うのですが、主人公の永遠とわは、「特定難治性脳機能疾患2b8」という病気を抱えているという設定で……これが作品を仄暗い印象にしてしまっているのかなと感じました。


 略して2b8という病名はもちろん、この作品におけるフィクションの病名だとは思いますが、脳の疾患というのはリアルな話、自分ではどうにも出来ない領域の話なので、病気の所為で引きこもっているなら、それは本人に責任がない、ということになると思うのです。

 病気や障害について書かれた作品は、公募には不向きという話を昔聞いたことがあります。とてもデリケートな話になるので、それだけ題材として扱うのが難しいのですよね。


 おそらく筆者様が言いたかったのは、病気は持っているけど、その病気と向き合おうとせず引きこもって逃げている永遠を叱責して、立ち直らせたい、ということなのかなぁと推察しましたが合っておりますでしょうか?

 ですが、2b8という病気が永遠の考え方にどれほど影響を与えているのか、つまり病気による不可抗力範囲が不明慮な気がして、どうも永遠に「逃げずに敵と立ち向かえ!」と100%言えない……私には言えないなと思いました(>_<。)💦


 例えば、発達障害。あれは、脳の成長が人によって遅れている部分と早まっている部分、そのバランスがデコボコしているようなイメージですよね。

 そういう人に対して、出来ないことをやれ、とは言えませんよね?💦

 だって、脳の発達部位を本人の意志で操れませんもの……。

 脳梗塞で脳の半分が機能しなくなった人に、通常の人と同じことをやれって言えますでしょうか?

 特に目には見えない部分である脳の疾患としたところに、この作品の難しさがあると思いました。


 それから、ハルジオンのニュービジョンワーク(NVW)として在宅職を受けるということで、周囲から弱者として認識され、ストレスの捌け口になる……と受け取ったのですが、合っておりますでしょうか?

 弱者を守ろうとするならともかく、それはちょっとひどいなぁと思いました💦

 だって、脳疾患なんですよ?(;´д`)

 病人を晒し者にするような行為だと私は受け取ったのですが、私の読み込みが浅かったら大変申し訳ありません(。>ㅅ<。)


 その2b8という病気は、ヒロインの瑠璃乃のおかげで、その症状が和らぐのかな、と思ったのですが、認識合っておりますでしょうか?

 SFということで、かなり設定についての説明描写が多く、の私には、なかなか理解しづらい部分がありました。ですので、私の理解不足によるを起こしておりましたら、盛大に「それは違う」と突っ込んで頂けたら有難いです!

 (人ω<`;)💦


 まず、消えた瑠璃乃は、カプセルにはどうやって戻っているんでしょう?

 自分の意志で戻っている??

 なんとなく気体状のものが消えて自動的にカプセルに戻ってくるイメージができなかったもので💦

(ポケモンのモンスターボールみたいなものでしょうか?)


 お店で買った服ごと瑠璃乃が消えてしまうのは何故でしょうか?


 瑠璃乃は、気体で出来ているようなので、胴体を引きちぎられても平気なんじゃ?

 頭を食べさせても平気そうでしたし💦

 だったらほぼ無敵なんじゃ……?


 永遠がエルイオンを放出することで、永遠に身体的もしくは精神的な負担はないのでしょうか?

 半永久的に勝手に体内で造られて、瑠璃乃へ供給できるものなのでしょうか?


 永遠の瑠璃乃へのエルイオン供給が絶たれる明確な理由は何でしょうか?

時、という具体的かつ共通する描写がなかったようでいまいちよく分かりませんでした💦)


 エイオンベートと瑠璃乃は同じ素材から出来ているようですが、瑠璃乃には、コアがないのでしょうか?


 …………すみません。たぶん私の理解力が足りていないのです( ノД`)シクシク…

 こちらの作品には、私の作品よりも遥かに多くのお星さまがついておりますので、私の理解力が追いつかないのだと思います。。ほんとすみません(。>ㅅ<。)

 SF作品は、時をかける少女、パプリカ、新世界、マルドゥックスクランブルシリーズ、虐殺器官、ハーモニー、わたしを離さないで……くらいしかちゃんと読んだことがないもので。。

 漫画だと、ぼくの地球を守って、輝夜姫、獣王星とか……本格科学的なSFって読んでないことに気付きました( ºωº )積読はある……。


 そんなSF素人の私が言うことなので、さら~っと流して頂きたいのですが……

 この世界の技術、「2030年」で達成できるレベルじゃない気がします(・ω・;)

 あと六年で全ての病を治療することは不可能かと💦

 もちろん、フィクションですから、時代を何年に設定しようがそれは自由です✨

 ただ私の偏った知識でのSF作品では、もっと先の未来を指定することが多いように感じます。

 あの「ドラ〇もん」も、22世紀ですし。

 それはおそらくですが、未来SF小説がよりになってしまっては魅力がなくなるからじゃないかしら。

 あと6年過ぎれば、この作品はSF作品になってしまいます。それはもう未来小説とは言えませんよね?

 だから一般的なSF作品では、ずっと未来の時代とするか、「西暦」ではなく「〇〇暦」と変えるか、敢えて指定しない「20✕✕年」とかで書くことが多いような気がします(私の勝手な憶測です)。


 それからこちらの作品内で起きていることは全て1日のうちに起こった出来事、という認識で合っておりますでしょうか?

 これはかなり挑戦的だなぁと思いました。

 敢えてそうされているのだとは思うのですが、もう少し永遠と瑠璃乃が二人きりで過ごす日数を長く設けてあげることで、二人の絆がより深まったのではないのかなと思ったのです。

 初めて会ったばかりの女の子のために、巨大な敵に立ち向かうというのは、ちょっと……心理描写的にも無理があるような気がします(・ω・;)

 元々、正義感の強いヒーロー主人公ならありでしょうけど、引きこもりが主人公です。おそらく相手とコミュニケーションをとることも苦手でしょうから、打ち解けるまで時間がかかるのではないのかなぁ。


 長編の中で長い期間を描くというのは、展開スピードを速めるという意味でも効果的です。

 1日の短い時間を10万字の文章に引き伸ばすって、これはこれですごいと思いますが💦 話の展開スピードが落ちます。

 設定の説明に4~5話使っていらっしゃることからも、正直長いなと感じました。

(確か1話あたりの文字数が4、5000文字ほどあったようなので。)


 永遠も、初めて戦った敵が最強すぎて(;゚∀゚)逆に可哀想ですね💦

 せめて、小さいレベルの敵から戦って、ボス戦、という段階があっても良かったかなと思います。その方が読者も、戦い方の基礎を学べて、応用編……と飲み込みやすいかなと。


 主人公の名前「永遠とわ」は、とても素敵な名前なのですが、文脈上、年月や時間といった意味での「永遠に」と混同しやすいのであまり推奨できないかも💦

 でもこれは、きっと筆者様の強い想いが込められた名前だと思いますので、変えなさい、と言っているわけではありませんよ。今後、登場人物の名前を考える際には、ちょっと気にしてみてもいいかもしれません。


 冒頭「裸の女の子が立っていた。」のインパクトは、すごくいいですね!

 一気に、どういう状況?!……と、気になります。

 ただ、その次の文章が勿体ない!


(原文)

「ひきこもりの少年、林本永遠はやしもととわが四月の春先お昼前、自室のドアを開くと、上がっていってしまう口角と、瑞々しく弾けそうな嬉々とした活力を押し止めるように、腰の横で二つの拳を握りしめた女の子が立っていた。」


 一文が長いですね(・ω・;)

 せっかく冒頭の一文が短く、光っているのを曇らせてしまっています。

 一文の中に、主語が二つあるのがお分かりでしょうか?

 ドアを開く、すると~な立っていた。これは少なくとも二文に分けた方がいいと思います。

 「ドアを開くと、」と「上がっていってしまう口角と、」は、「と」が続くので文章としてもあまり綺麗ではないですね💦

 「上がっていってしまう口角」という表現は、口角を上げようとしていないのに上がっていってしまう、という意味に受け取れますので、少年ではなく、立っている女の子の視点でなくては書けない情報になっています。

 それから、女の子が立っていることは前文に書かれているので、二重に書く必要はないと思います。

 私なら、こう書くかなぁ~。


(案)※三人称一元視点(少年の視点)で書きます。

「裸の女の子が立っていた。

 口角を上げ、瑞々しく弾けそうな裸体には、嬉々とした活力がみなぎり、ほどよくふくらんだ腰の横で、二つの拳を大事そうに握りしめている。

 ひきこもりの少年、林本永遠はやしもととわは、自室のドアを開けたまま女の子の裸体を見つめた。

 四月の春先、お昼前のことだ。」


 文章の書き方は、好みもあるので、あくまで私なら、という意見になります。

 ただ、冒頭のシーンは、読み手を物語に惹きつけないといけない一番大事な場所ですので、最初に躓くと、後への期待感が薄れてしまいます。


 次に、地の文について、いろいろと書かせていただきます。


 まず、プロローグにおける視点の認識が甘いです。

 三人称は、基本的に固有名詞か代名詞で示すものだと思いますが、「富美子」「母」「永遠」「息子」と表記にばらつきがあります。

 地の文が「永遠」の視点ならば、「母」と書くのはわかりますが、自分のことを「息子」とは言わないですよね?

 「息子」と書けるのは、「富美子」の視点で書く時だけです。

 視点が変わる時は、段落を変えてあげればOKです。


 三人称で書く時は、なるべく主語を明確に書いた方が良いです。


(原文)

「この子と働きたい。

 そう告げた時、富美子は険しさを一瞬覗かせた。息子が置かれた現実を知っているからだ。」


 この書き方だと、そう告げたのは「富美子」かも、と受け取れます。主語が省略されているからです。

 これは私の勝手な感覚かもしれませんが、一人称で書かれている地の文は、主語を省略しても伝わります。けれど、三人称で書かれた地の文では、主語を省略すると誰の視点なのかが分かりにくくなります。

 なので、なるべく主語は明確に書いた方が良いと思います。視点が変わる書き方をしている場合は、特に。

 段落が変わった時の先頭には、これが誰の視点であるのかを明確に記した方がいいです。同じ段落の中であれば、視点は同じと見なされるため、先頭で一度主語を明示しておけば、(同じ段落内なら)あとは省略しても可、となります。


 話を戻すと、「この子と働きたい。」と告げたのは、「永遠」ですよね?

 でしたら、視点によって以下のように書けると思います。


(一人称・「永遠」視点)

「そう告げた時、母は険しさを一瞬覗かせた。僕の置かれた現実を知っているからだろう。」

※主語が「僕」なので省略しています。

※視点が「僕」なので「母」の心情は「だろう」と予測で書いています。


(三人称・「永遠」視点)

「そう永遠が告げた時、富美子は険しさを一瞬覗かせた。永遠の置かれている現実を知っているからだ。」


(三人称・母視点)

「そう永遠が告げた時、富美子は険しさを一瞬隠せなかった。息子が置かれている現実を知っているからだ。」


 う~ん……難しいですね( ˊᵕˋ ; )💦

 やっぱり「永遠」「富美子」で統一した方が誤解が少なくていいように思うけど、どうでしょうか?

 私も人称の書き方は得意ではありませんので、もし、間違っていたら誰か教えてください💦


 それから、最初の一話の中で、場面が四回も変わっています。

 まずは、「永遠」の家。次に、謎の男女。三回目は、山間の輸送機。四回目に「永遠」の家へ戻っています。

 これは、ちょっと視点が変わりすぎな気がします(・ω・;)

 趣味で書く分は全く構わないと思うのですが、公募は、視点の切り替えが多かったり、視点の書き方が出来ていないと、基礎力がないと見なされる……そうです。

 私も、調べて知った程度の知識ですが💦


 「この子と働く」「パートナー」というキーワードが出てきますが、一話の中で、女の子は、そのようなことを一切口にしていません。これは後で出てくるのでしょうか?

 一体どういう経緯で、永遠がその言葉を出したのかが分からないので、ちょっと読者は取り残されてしまう気がします。

(※後続の話に出てきました。)


 第一話と第二話って、時間軸が違うのですね。

 舞台が同じ「永遠」の家なので、何か第一話よりも前の過去であることが判るような記述から始まる方がいいかもしれません。

 第一話で瑠璃乃と外へ出た筈なのに、また引きこもりに戻っていたので戸惑いました💦


 すごく丁寧に描写に気を遣われている印象を受けました。

 ただ、一文の中に修飾語が多いので、いまいち頭に入ってこない(^_^;)

 もっとスパッと書いて、補足させる情報は後続に分けて書くとすっきりするんじゃないかなと思いました。


 地の文の書き方って、人それぞれあると思います。

 私が書く時に意識しているのは、読者の視線がどう流れて行くか、を考えながら書いています。(これが正しいということではありませんので、あくまで参考に💦)。


「第38話 天空に咲き誇る桜」


(原文)

 ならば、と瑠璃乃は、エイオンベートに最後の一撃を与えるための体勢に移る。

 木刀の形状をとるナグハートに鞘は無い。

 だが、瑠璃乃は抜刀術の構えを見せる。


(案)

 ならば、と瑠璃乃は、エイオンベートに最後の一撃を与えるため、抜刀術の構えを見せる。

 もちろん、木刀の形状をとるナグハートに鞘は無い。


 どちらの方が読者視点から見て読みやすいでしょうか?

 作者の頭の名前には、「だが」の後文があるので、先んじて「木刀には鞘が無い」という情報を転ばぬ先の杖ごとく書いてしまうのだと思います。

 ですが、読者には、「体勢に移る」から「抜刀術の構え」までの間に、突然木刀の鞘の話が出てくるので、ここで話の流れが止まってしまいます。

 まずは、読者に見せる動作、映像を先に描写して、その後に不随する情報などを付け足す方が話の流れも止まらず、読者にイメージさせやすいです。

 ……と、考えて書いています💦

 読みにくいよ!……と思われたらすみません(。>ㅅ<。)


 「大輪たちが」という表現について――おそらく敢えて「花」をつけなかったのだとは思うのですが……これは本当に個人的な印象として「大輪の花」とした方が文章をぱっと見た時にも綺麗なイメージが頭に浮かぶと思うんですよねぇ。

 「大輪」という意味には、「花の輪郭が(普通の大きさより)大きいこと。その大きな花。」という意味があるようですが、一般的な読者は「大輪の花」という使い方しか思い浮かびません💦

 「大輪」と言われても、あまり綺麗なイメージが頭に浮かばないのです(私だけかもしれませんが……)。

 一般的な話として、作家の頭には、きっとたくさんの難しい言葉や表現が辞書に登録されているんですよね。でも、それを読む側の読者は素人なので💦

 その作者のイメージが読者に伝わらないと本末転倒かなと思うのです。

 だから私は、なるべく小説を書く時には、一般的な用語しか使いません。

(え?『天使の羽根』? あれは全くそういうのを意識していない処女作です💦)

 純文学ならいざしらず、エンタメ作品でなら、販売されている書籍で、難しい漢字や表現を使っている作品を私はあまり読んだことがないですね~。


 公募作品かと思って厳しめに感想を書かせて頂きました。

 全く検討違いでしたら大変すみません😫💦

 速攻で書き換えます!!


 レビューを書かせて頂けるなら、キャッチコピーは……


 『引きこもりの少年は、美少女に愛を注いで敵と戦う。SFバトルアクション☆』


 こちらで、いかがでしょうか?


 レビューにアドバイスのような内容は書きませんので、ご安心ください。


 もし、ご不快に思わせてしまったら、大変申し訳ありません💦

 コメントにて、この感想へのご感想を頂けると幸いです(*ᴗˬᴗ)

 参加を取り下げる場合は、「削除希望」とだけコメント頂ければ、こちらの感想は非公開とさせて頂きます。

 宜しくお願い致します。



 以上。

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