31.『人間の母に溺愛される魔族の王子(転生済)は人類を滅ぼしたい』(著:真昼)

<作品URL>https://kakuyomu.jp/works/16818093072789547258

【ジャンル】異世界ファンタジー 【連載中】398,374文字

【セルフレイティング】残酷描写有り/暴力描写有り/性描写有り


※長編のため、「第7話 魔力暴走」までを読んだ感想です。


 このプロローグは、面白いですね!

 まさか、魔王の息子が両親から無能と呼ばれた挙句、転生させられるなんて!

 それも、人類を滅ぼすために!

 次への引きも気になる終わり方になっていて、素晴らしいと思いました!


 ……その期待が大きかった所為か、「第1話 転生後──」で少し失速するような気がします(・ω・;)

 まぁ、でも、このテの異世界転生ものは、赤ん坊から転生することで、世界観を読者に伝え、ファンタジーの醍醐味である魔法を使う〝すごい赤ん坊〟を堪能する、というのがセオリーのようなので、私が普段からこういうジャンルに慣れていないだけでしょう💦


 主人公は、人間に転生しますが、前世で魔王の息子だったため、価値観や思考が魔物の思考になっています。そして、人間の母親ファイは、天然でいい人っぽい性格をしているため、この善と悪の噛み合わなさをコミカルに仕立てているのかな、という印象を受けました。……違っていたら、すみません(>_<。)💦


 序盤しか読んでいないため、今後の展望が分からないのですが……主人公を〝悪〟とする場合、ただ悪を貫いて終わり、というだけだと読者は納得しないですよね。

 だから、大抵は、周囲の愛や優しさに触れて感化されていき、善として生きる、そういう方向性を持たせるのが一般的かと思います。

 もしくは、〝悪〟は周りの世界の方だった、という逆転の発想もありますよね。

 こちらの作品は、獣人を奴隷とする差別発言もあるようですので、それも含めて〝善〟の方向へ展開していってくれれば嬉しいなと思います^^


 気になったこととしては、二点あります。

 一点目は、地の文です。

 このテの異世界転生もので三人称を用いた作品って、あまり見ない気がしますが、これは敢えて差別化を図る意味か何かで、三人称にされているのでしょうか?

 ファイの意味深なモノローグが要所要所に登場するので、もしかすると、この辺りに、三人称とした背景があるのかもしれませんね。

 一人称だと他のキャラクターの視点を書けなくなりますから( ˊᵕˋ ; )💦

 ただ、その所為か、読者は、誰に感情移入していいのか、ちょっと迷うのではないかなと感じました(・ω・;)

 ただでさえ、主人公が〝悪〟という立場にいますから、〝善〟であるファイの立場と目移りするというか……💦

 論理的に説明できず申し訳ないのですが、物語に没入しにくいなと感じました。


 プロローグが、主人公の不遇なシーンから始まるので、読者は、完全に主人公の立場で物語に入ります。

(※プロローグを読まない方もいらっしゃるようですが💦)

 そこへ、「第1話 転生後──」の書き出しに、突然ファイのモノローグが入っています。ここで少し戸惑いました💦


「──私、頑張るからね。貴方の分まで、きっと幸せになるからね。だから、いつかはシキマも……。」


 最初にこの一文を見た時、これは主人公のモノローグだと勘違いしたのです。

 でも、最後まで読んでみると、これがファイのモノローグであったことが分かります。この書き方は、敢えてこうされているのだと思いますが、作中で視点を変えるのは、読者が混乱しやすいので、あまりオススメできません(;^_^A

 もし、キャビーとファイの二つの視点で物語を進めるのであれば、一話の中に二つの視点を混在して書くよりも、各話毎に視点を変えて書かれる方が混乱は少ない気がします。

 二話は、キャビ―の視点、三~五話は、ファイの視点で書かれていたので、ここは分かりやすかったです^^


 個人的な直観で言うと、こちらの作品は、キャビ―の視点で書かれた方が成功するような気がします(;^ω^)

 不遇な前世を持つキャビ―が、これからいかに人間世界で幸せを掴むか、という物語の方が、読者は断然好きだからです。

 ファイの背景を知らないので、断定はできませんが……。

 もう少し、ファイの背景を読者に見せてもらえていたら、彼女に感情移入できたかと思います^^


 この読書感想文で以前書かせて頂いた作品「20.『ゴブリンよりドラゴンが下ぁ!? 落ちぶれ暗黒黒炎竜の再興記』(著:はむら いおん)」は、〝悪〟サイドにいる主人公が〝善〟へと向かうストーリーです(たぶん)。

 なので、主人公の一人称で物語は進んでいきます。

 もし、良ければ参考に読んでみてください^^


 気になったことの二点目は、キャビ―の成長過程が具体的にイメージしにくいことです💦

 このテのジャンルでは、〇才で魔法を使えた、とか、〇才で言葉を喋った、という具体的な数字を書かれている作品が多い気がします。

 描写が少ない分、なるべく具体的な数値を書いてあげた方が、読者にイメージが伝わりやすくなると思います^^


 こちらの作品へレビューを書かせて頂けるなら、キャッチコピーは……


 『魔王の息子は、人類を滅ぼすため、人間に転生させられて、母の愛を知る。』


 こちらで、いかがでしょうか?


 レビューにアドバイスのような内容は書きませんので、ご安心ください。


 もし、ご不快に思わせてしまったら、大変申し訳ありません💦

 コメントにて、この感想へのご感想を頂けると幸いです(*ᴗˬᴗ)

 参加を取り下げる場合は、「削除希望」とだけコメント頂ければ、こちらの感想は非公開とさせて頂きます。

 宜しくお願い致します。



以上。

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