第5日
6月12日
今日は水曜日。朝起きて懐中時計を見ると、いつもより少し遅く目が覚めてしまった。急いで支度をして、慌てて家を飛び出した。駅に着くと、電車はすでにホームに到着していて、駆け込み乗車をなんとか成功させた。
電車の中で、昨日カフェで出会った女性、彼女の名前はエミだったことを思い出した。彼女の話を思い返しながら、時計を手に取ってみた。指で文字盤をなぞると、ふと手元が光ったような気がした。
その瞬間、周りの景色が一瞬で変わった。気がつくと、私はまったく見覚えのない場所に立っていた。周囲を見回すと、昔の映画に出てくるような古い街並みが広がっていた。
慌てて時計を確認すると、針が通常よりも早く進んでいることに気づいた。どうやらこの時計には本当に時間を操る力があるらしい。少し怖くなりながらも、この不思議な体験を楽しむことにした。
街を歩いていると、何やら人々が集まっている広場が見えた。興味本位で近づいてみると、そこでは古い街並みの再現イベントが開催されていることがわかった。私が見ていたのは実際の過去ではなく、現代で行われているイベントだったのだ。
それでも、この時計のおかげで普通では味わえない体験ができたことに興奮しつつ、現実に戻るために時計の針を元の位置に戻した。すると、瞬く間に元の電車の中に戻っていた。周りの人々は誰も気づいていない様子だった。
仕事中もこの出来事が頭から離れず、エミにこの体験を伝えるべきか悩んだ。時計の力を共有することで、もっと多くの秘密を解き明かせるかもしれない。今日はそのことについてじっくり考える一日だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます