第13話 全て捧げたい
魅了と言うのは恐ろしいわ。
人格や頭さえも可笑しくなるんだから
◆◆◆
「なぁケイト、お前は俺を愛しているか?」
「愛しているに決まっているだろう? じゃなくちゃこうして体を重ねるわけないだろう?」
「俺が好きなら耐えられるよな?」
「一体、何をするんだ..」
「このナイフでお前を切り刻む......愛しているなら耐えられるよな......」
あの悪魔は笑いながらそう言っていた。
「ああっ耐えてみせるよ」
魅了に掛かっていた僕は、それが愛の証だと思っていたんだ。
まるで爬虫類の様な目でライトは僕を見ていた。
「そう」
「ああああ痛い、痛い、痛い、痛い......あああああああっ」
痛みを我慢して耐えている私に……あの悪魔は……
「あんまりおもしろく無いな......」
つまらなそうにそう言っていたのを覚えている。
「何をするの……」
「良いから黙れオーク女」
私にそう言い放つとあの悪魔は笑みを浮かべた。
「はぁはぁ『変態肉奴隷」そうか、これで私はお前の物なんだな」
「まぁあくまで物だけどな!だが、これは俺がした事でお前がした事じゃ無いだろう?」
「そうだな、ならばどうすれば、僕が愛している事が証明できるんの」
「ここからは自分で刻むんだ」
「それで良いんだね…..」
私は躊躇なく……痛みを堪えてライトが望む卑猥な言葉を刻んでいった。
そんな私をゲスの様な目で彼奴は……
「お前気持ち悪いよ......何でだよ、冗談も解らないのか? 頭可笑しいぞ」
「だって......ライトがしてくれって......」
「もういいや......きょうが覚めたから娼婦でも買ってくるか」
血だらけの私を見下しながら出て行った。
◆◆◆
「俺さぁお前の乳首が嫌いなんだよね......」
この時の私は魅了で可笑しくなっていた。
何で私……乳首を斬り落とそうとしているのよ。
「冗談だよ、真顔で斬り落とそうとするなよ……だけど、その大きな胸気持ちわりぃ……この胸本当に見たくないわ……そうだ切らなくて良いから乳首にピアスつけておけよ」
「解りました」
侮辱されて凄く悲しかった……それでも気にいられる為、私は乳首に穴をあけピアスをつけた。
「そういえば、ソニアも俺の物になったんだよね?」
「はい、身も心もライトの物です」
「だったら証明してくれる?」
「どうすれば良いのですか?」
「このナイフで、肉便器って書いてよ、沢山……俺の物なら出来るよね」
「解りましたわ」
お尻に、太腿、胸に...クズの為に……私は刻んでいった。
泣きそうになるのを堪えながら……
「あはははっ、それじゃ女じゃ無くて家畜じゃん、もうお前を抱く男なんていないよ?もう奴隷としても安くじゃないと売れないんじゃないかな?」
「私はライトに使って貰えれば満足です」
「そう」
まるで興味が無くなった。
そんな目で私を見ていたのを覚えています。
◆◆◆
「俺さぁ、お前のガキみたいな顔が嫌いなんだよ...」
「どうすれば良いの?」
「ガキじゃないなら、自分で考えなよ」
良く考えて、自分で顔にナイフを斬りつけてた。
魅了って恐い。
こんな状態なのに......ライトに逆らえない。
何でこんなクズに逆らえないの……
可笑しいよ......
なんで、こんな状態で抱かれて喜んでいるの?
あはははっ、女の尊厳なんて全部奪われているじゃない。
人前でも何処でも平気でライトとしているし......
しかも嫌がる、ライトを私から無理やり誘っている。
「キスなんてするんじゃねーよ!そんな汚い口でよぉ!良いかお前は便器だ。俺がやりたい時に使えればよいんだ!お前からするな、ばっちいから」
「ごめんなさい」
それでも心がライトを求めていたの……
私のも二人と同じ様に、ううん、2人以上に傷がある。
一番凄いのは顔、まだ魅了が浅かった頃、ライトが犯した女の子を逃がしたら、口を片方裂かれた。
ソニアが直ぐに魔法で治してくれたけど、傷が残っている。
もしかしたら、ソニアも魅了に掛かっていたから、わざと傷が残る様にされた可能性もある。
これは悪夢だったよ。
だけど、私の顔には口を裂いた傷がうっすらと残っている。
私は2人と違い胸も小さいし、子供みたいな体型だから好みじゃないみたいだ。
だから、性処理としては余り使われず、暴力+虐めがメインだったと思う。
暇さえあれば殴られたし蹴られた。
体に刻まれた卑猥な言葉も『死んでも良い』と思われたのかお腹みたいな危ない所迄刻まれている。
私は、小刀で傷つけられたり、虫を食べさせられたり……蔑みの道具だったのだと思う。
恐らく、ライトはコンプレックスの塊だったんだ。
だから、頭の良い私に此処まであたっていたんだ......
器量の狭いクズだよね。
◆◆◆
リヒトは、死んだ様に眠っている。
そりゃそうだよね……
殆ど寝ないで私達としていたんだから当たり前だよ。
私達が寝ている間も目を光らせて起きていたんだから……
リヒトの事を考えたら、私達なんていない方が良い。
沢山の人に恨まれているし、売春している事を沢山の人に知られている女なんて足を引っ張るだけだ。
それに女として子供も産めないからだの私達は、リヒトの子を産んであげられない。
『死んだ方が良い』
だけど、それをしたらリヒトが悲しむから、リヒトも死んじゃうから『出来ない』
だったらせめて……
私はリヒトのストレージからナイフを取り出した。
◆◆◆
「ソニア一体なにをしているの、まさか自殺……やめよう、僕たちが死んだらリヒトが死ぬかもしれない……だからやめなよ」
「私だって死にたいよ。だけど、それじゃリヒトが……死んじゃうから」
シャワー室で私はナイフを持ち血だらけになっていた。
「ハァハァ、違うよ……文字を消している……ナイフで抉ってね、傷はどうしようもないけど……少しでも真面な体になりたいの。リヒトに少しでも悲しい思いをさせたくないから……」
リヒトが私達を抱いた時に悲しそうな顔をしていた。
特に、この卑猥な文字を見た時は、本当につらそうだったから……消したい。
「そう言う事なら、僕がやってやるよ。これでも剣士だからね。 ただ肉を削ぎ落すんだから激痛は勘弁してね。その代わり終わったら僕の手が届かない場所の肉を削ぎ落すの手伝ってね」
「解ったわ」
「私もお願い」
「リタは……大丈夫なの? 私達と違って危ない場所にまで刻まれているじゃない」
「そこは火で焼くから良いよ……手が届かない場所をお願い」
「そう、わかったわ」
リヒトが起きると困るから大きな声はあげられない。
「「「ううっくっハァハァ」」」
声を押さえながら三人で肉を抉っていき、抉りにくい場所はリタの魔法で出した小さな火で焼いていった。
「ハァハァ、これでようやく全部消せたね」
「体中、凄い傷だらけだけどね……ハァハァ」
「二人はまだ良いよ、私なんか傷と火傷でお腹迄酷いもんだよ」
後は
「悪いけどケイトもう少しつき合って」
「良いけど? 何をするの?」
「背中に大きく『リヒトの物』って刻んでくれないかな?」
「あっ、それ良いね。後で僕もお願い」
「私もお願いします」
大切な初めても、魅了で奪われ今の私には何もリヒトには捧げられない。
もう心も体もゴミみたいな物だけど……それでも欲しいと言ってくれたリヒト。
せめて、今の自分の全てを捧げたい。
心も、体も命も……
※ 鬱回は此処迄です。
作品の都合上どうしても悲惨な描写はありますが、此処からは少なくなっていきます。
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