第6話 絶望からの反撃


大好きだった幼馴染たちの裸。


本来ならきっと感動する筈だ。


だが、ソニア達の裸を見た俺の気持ちは感動よりも痛々しい。


その気持ちの方が強かった。


体中が痣だらけで、タバコでも押し付けられたのだろうか?


火傷の跡が沢山あるし、胸にはピアスもしている。


だが、それ以上に目を引いたのは、刺青でも無くナイフで抉った様な傷で書かれた卑猥な文字だった。


『牝豚』『牝犬』『肉便器』『生OK』『変態肉奴隷』


そう書かれていた。


「何だよ……その文字」


「この文字が私達のライトへの愛の証なの……俺が好きならナイフで刻んで見ろって言われたんだよね」


「そうそう、凄く痛かったけど僕たちナイフで彫ったんだよ」


「思わず涙が流れたけど、頑張って彫ったの、凄いでしょう」


刺青を背中に入れるのだって痛いって聞いた。


肩や太腿、胸にナイフで刻むなんてきっと激痛だった筈だ。


「そうか……」


俺の宝物はすっかりこれでもかとゴミの様に汚されていた。


「それじゃこれから犯りまくって満足されば良いんだよね?」


「一か月、約束だからな」


「リヒトとヤリまくって、一か月で解放してくれるんでしょう?」


「ああっ……」


三人が俺に近づいてきて……俺をベッドに押し倒した。


「私ライトに頼まれて、沢山の男と寝たからテクニックに自信があるんだよね」


「僕の口は絶品だって評判なんだ……すぐに気持ち良くしてあげるね」


「幼馴染のよしみで思いっきりサービスしてあげる」


そのまま、三人は俺に覆いかぶさり、ソニア達三人の顔が俺の股間に近づいてきた。


すっかり窶れてしまって……


ソニアの綺麗だった青黒の髪はすっかり汚れきっていた。


白い透き通るような肌は碌に風呂に入れて貰えなかったからか汚れている。


形が良くおわん型の綺麗だった胸は乱雑に揉まれ過ぎたせいか垂れている。


妊娠中絶を繰り返したせいか体の線が崩れ全体的にふくよかだ。


まだ、10代なのに体は中年女性みたいだ。


ケイトは


綺麗な金髪は汚れてくすんでいる。


剣士として鍛えられた体の面影はない皆の中で一番傷が多く


お尻には恐らくナイフで切られたんだろう大きく×の傷がある。


胸は垂れていて妊娠中絶を繰り返したから、あのしなやかな獣を思わせる体はもう弛み斬っている。


リタは


三人の中で一番酷く、体に痣がない所が無い。


綺麗な茶髪は汚れ切っている。


小さな体で妊娠中絶を繰り返した体は小柄なのにお腹の肉が弛んでいる様に見える。


解ってはいた。


だが、いざこうして目の前にすると悲しさがこみ上げてくる。


大切な宝物を泥だらけにされた気分だ。


「ほら、ほら抱きたかったんでしょう? どう気持ち良いかな」


「心はあげられないけど抱きたかったなら、無理して我慢しないでお金を払えば良かったんだよ」


「うんうん、無理は良くないよ……あーむっ」


「ソニア、ケイト、リタ、愛しているよ……大好きだ」


「そう言うのは良いからやめて……今はセックスに集中しようか?」


「好きだって言われたら『嫌い』って答えるんだからしらけるでしょう? やめなよ」


「きゃははっ!リヒトってロマンチストだね……だけどキモイよ」


クソ……


「そうか……3人は俺が好きじゃないんだな。だが、それでも俺は三人を愛している……本当だよ」


「へぇ~私が好きなんだ! それならライトの所に帰して」


「リヒト、愛してるって言うなら、普通は幸せを願う筈だよ! ライトから引き離す位だから、リヒトは僕たちを愛してなんていないんだって」


「ただヤリタイだけだよね……キモイからやめてよ。私が愛しているのはライトだけなんだからっ!」


ライトに碌に風呂に入らせて貰えなかったせいか体も臭い。


俺と体がこすれると垢が体に浮かんでくる。


気がついて無かったが髪にはフケが溜まっていた。


やはり風呂に入らせてからにするべきだった。


だが、オークマンから言われた事がある。


『臭い汚い事を気にしないでSEXしろ』と。


醜い所、汚い所、全てを『愛せない』ならそもそもこの話は破綻する。


「それでも愛している!」


大好きな人に汚い所なんて無い。


そう気持ちを奮い立たせ……俺は自ら積極的に彼女達を貪り始めた。





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