第4話 戦いの始まり


奴隷紋を刻んでからの魅了の解除。


オークマンから教わった手順と逆だが、僅かな時間だし問題は無いようだ。


奴隷商を出て3人を連れ街を歩いている。


「リヒト、貴方が此処迄最低の人間だとは思わなかったわ。 そんなに私の事が抱きたかったの! そんなに私に捨てられた事を恨んでいたの……ライトになにしたのよ……愛し合う二人を無理やり引き裂いて……最低だわ、こんな男を一度でも好きなになったなんて人生の汚点よ……」


ソニア……愛されてなんていないだろう……最初からおもちゃだったじゃないか? 散々、おもちゃにされて子供まで何回もおろさせられて……罵られて、最後には『汚くて便所としても使いたくねー』と言われていたじゃないか……


「リヒトのクズ……僕をこれからどうしようっていうんだ……犯すのか?姉弟のように育った僕を……愛するライトから無理やり奪って……卑怯者……体は奪えても心は死ぬまでライトの物だ……」


ケイト、最初からあそこ迄雑に扱われていたのに……


街だろうと村だろうと裸同然のビキニアーマーを着せられ、寒くても上着を着せてもらえず、いつも鳥肌が立って震えていたよな……抱いて貰っている時にも『オーガとやっているみたいで気持ち良くねー』と怒鳴られ殴れていたじゃないか……愛なんて最初からないだろう……


「私は、リヒトの事をお兄ちゃんみたいに思っていたのに……酷いよ……こんな獣みたいな事して、ライトになにをしたのよ……妹分を恋人から引き離して、自分の奴隷にするなんて……帰してよ! ライトの所へ帰してーーーっ」


リタ……


お前が一番酷い扱いを受けていただろう。


最初から『胸もケツも小さくてガキとやっているみたいで楽しめねー』と言われグーパンで顔を殴られていたじゃないか?

喋るたびに『牝犬は喋らねー』と蹴られ、食事を床で食わされていた事もあるよな……それでなんで愛して貰っているって思うんだよ。


しかも……そこ迄酷い扱いをされて……最後は三人とも......


『もう使いたくないから、金を稼いで来い! その体でな……』


そう言われて売春までさせられていたじゃないか。


おもちゃだったんだよ……


冒険者として働かせた方が金になるのに『立ちんぼ』させる意味は無い無いだろう……


『売春部隊』なんてあだ名までつけられて……


毎日、『なんでもありで』沢山の客を取らせていたから……


最後には『病気が怖いから』と銅貨ですら買って貰えなくなっていたよな。


抱かれた男の数は1000じゃきかないよな……


梅毒、淋病、クラミジアに毛シラミ……性病にも何回もかかって、ライトの子だけじゃない他の男の子も身ごもって何回もおろして......


何回教会に連れていったか解らない。


教会の治療師に.......『もう子供が作れない体です』そう言われたよな。



そこ迄して稼いだ金は全部ライトやリメル、マリアンヌ、リリアの遊興費と使われていたんだぞ……


お前達に正座をさせて見せた状態で、リメル達と宜しくしていたじゃないか……


何処にも『愛』なんて無かったんだよ!


最初からな。


『少し黙れよ!』


「「「……」」」


こんな事、俺したくないよ……久々に話が出来たのに黙らせるなんてな。


『黙ってついて来い』


まるでドナドナだな……


しかも、ほぼ下着姿に、ビキニアーマーにキャミソール姿で泣きながらついてくるから誰から見ても俺がきっと悪人だ。


『可哀そうに……リヒトの奴、あの状態でも幼馴染が欲しかったのかよ』


『あいつ、あのゴミみたいになった女達に操をたててまだ童貞なんだろう?』


『見ないでやれ……可哀そうすぎる』


周りの人間も目を合わせようとしない……


もう暫くの辛抱だ……あと少しで街から外に出られる。


◆◆◆


街はずれにある家。


あらかじめ、俺は此処を借りていた。


魅了は麻薬みたいな物だとオークマンから話を聞いた。


魅了はとかれても完全に解けるまで時間がかかる。


オークマンから聞いたが……ここからが地獄の様な日々の始まりだ。


覚悟はした。


『喋って良いぞ』


「リヒト、こんな所に連れ込んで……私が抱きたいの? 抱きたいなら好きなだけ抱いていいわ。その代わり終わったらライトの所に帰して」


「僕が抱きたいならお金出して抱けば良かったんだよ! 銀貨1枚、ライトに払えば1日相手してあげたよ……そうだ、私頑張って奉仕するから、ライトの所へ帰してくれ」


「1週間でどうかな? ライトの所へ帰してくれるなら何をしても良いよ? 何でもしてあげる……どう?」


「俺が欲しいのは体じゃない……心だ、体だけなら要らない」


「リヒト、それは無理ね、例え殺されても私の心はライトの物だわ。 体だけで良いなら何をしてもいいわ……リヒトがしたい事全部しても良い……何でもしてあげる……だけど心はライトの物。 だから終わったら帰して。帰してくれる約束をしてくれるなら私なんでもするから……」


「どんなに汚れても汚されても僕の心はライトの物だよ……帰してくれるなら、なんでもしてあげる……何でもだ……だけど心はあげられない。ライトだけの物だ」



「心は無理……だけど体なら、幾ら使っても良いから……終わったらライトの所へ帰して」


オークマン信じているぞ…….


「そこまで言うなら、解った!1か月だ! 1か月間、食事と排泄以外、寝る間も惜しんで抱かせて貰う!……そしてお前達は俺を満足させろ。1か月経った後、俺を満足させきり、それでもライトが好きだっていうなら解放してやるよ!」


「約束したわ」


「約束したからな」


「約束よ!」


三人は服に手をかけ、扇情的なポーズを作り脱ぎ捨てた。

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