第13話 制服買って侵入大作戦
「失礼しますー」と、入ってきたのは赤沢さんと見たことない女の子。
「あっ、赤沢せんぱいー。お待ちしてましたよ!もしかしなくてもその人が依頼人ですか?」
「そうなんだよね」
「...本当に言うんですか?」と、少しもじもじしている女の子。
「大丈夫だって!私の彼氏の浮気調査も超すごかったし!ちなみにこの子は妹の友達でね、
「...人探し?」
「うん。街中で見たイケメンに一目惚れしたらしくてさ」
「...え?もしかして...それを探せと?」
「そゆこと!一応写真はあるから安心して!」と、写真を見せられるが...ちょっとぶれてるし...けど...これは...。
「分かってるのは青陵高校の学生っていうのと...こういう見た目ってことだけなんだよね...」
...おいおい...正気か?名前もわからないし...こんなの見つけようないだろう...。」
「...やっぱ無理ですよね...」
「ふふ...舐めちゃあいけないよ?わが探偵部に不可能の3文字は存在しないから。ご安心を...」と、勝手に依頼を受けるリノア。
「...おい。正気か?」と、耳打ちも無視してどこで見たとか、不明瞭な部分の聞き取り調査を行うのだった。
そうして、「では1週間後に調査結果のご報告を行いますので、よろしくお願いします」というのだった。
「...おい。どういうつもりだよ」
「何がですか?」
「何が...じゃねーよ。あのなぁ...。手掛かりは高校とこの写真しかないんだぞ。どうやって見つけるんだよ...」
「ご安心を」と、何やら携帯をいじり始めるリノア...。
こいつの安心してくださいほど安心できないものはない...。
それから、好ちゃんと映画を見ながらのんびりしていると、「よし。それじゃあ3日後に調査を始めましょう」と言う。
「...なんで3日後?半分も時間無駄にして大丈夫なのか?」
「...さぁ?」
「おい、無責任なこと言うなよ」
「いやいや、それは先輩次第ですから」
「...どういう意味だよ」
そして、リノアは不敵にほほ笑むのだった。
◇3日後 放課後 部室
「今から青陵高校に向かってもらいます」
「...おう...ってもらいますってなんだよ」
「3日待ってもらったのはこういうことです」と、カバンから出したのは青陵高校の男子用の制服だった...。
「おい」
「いやぁ、メル〇リにこんなものが売ってるなんてびっくりしました」
「おい。話を聞け」
「なんですか?聞いてますよ」
「まさか...それを着て潜入しろっていうんじゃないだろうな?」
「それ以外ないじゃないですか。ちなみに今日は下見です。この時間ですから今向かってももしかしたらすでに下校したかもしれませんから。明日はこの下見を生かして1日学校に侵入してもらいます」
「ただの不法侵入じゃねーか!できるか!ばれたらどうすんだよ!」
「大丈夫です。チャイムが鳴ったら毎度トイレに引きこもればばれる心配なんてないですから」
「...いや...本当にそれで行けるのか?」
「大丈夫ですよ。最悪保険室に行けばいいですし。逆にこれ以外にいい方法あります?」
「いや...ねーけど...ねーけどさ。さすがにリスクが高すぎじゃねーか?」
「リスクなしでリターンは得られませんよ」
「...いや...リターンって」
この場合のリターンってあの1年の女の子に感謝されるってことくらいだろうが...。
「普通に校門の前に待ち伏せするとかじゃダメなのか?」
「面白くない!」
こ、こいっつ...!!!
「てか、なんで俺なんだよ。女子用の制服はなかったのか?」
「ありましたよ。けど、私は可愛すぎて目立ちますし、このちゃんは知らない学校の男の人に話しかけるとか無理なんで。必然、地味顔の先輩に白羽の矢が刺さったわけです」
刺さってんじゃーか。致命傷じゃねーか。
「...はぁ...わかったよ。やるよ。やればいいんだろ」
「はい!てことで、何かあればリアルタイムで報告してほしいので、通話状態にして耳にワイヤレスイヤホンを指して...これで会話をしましょう」と、高そうなイヤホンを渡される。
こいつのお金の使い道は絶対間違えている気がする。
「それじゃあ、期待してますねー」
こうして、俺は青陵高校に侵入するのだった。
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