第10話 探偵のお仕事その1
「では、まずは3人の直感をせーので言いましょう。せーの」
『「「してる」」』
全員が揃いも揃って浮気していると睨んだのだった。
それはもう...してるんじゃないか?
「どう見ても浮気してる人の立ち回りじゃん?もはや確認の余地なくアウトだと思うんだけどw」
「まぁ、あくまで赤沢さん視点だけだから...。断定はできないけど怪しいと思う」
『私も怪しいと思う!だって、態度がそっけなくなったりとかどう考えたっておかしいもん!絶対してるよ!』
「それじゃあ、まずは素行調査...外堀から埋めるのが妥当なのかな」
「つまり、彼周りの人間に色々と聞いてみるっていうことですね!まぁ、これに関しては申し訳ないけど、先輩が妥当だと思いますね。私や好ちゃんだといろいろ目立ちますし、男子に声をかけて変に勘違いされるのとかだるいのでw」
つまり、俺がやるしかないということか。
コミュ障寄りの俺にとってなかなかハードル高いのだが。いや、別に何も話す必要はないか。
例えば声が聞こえる位置で聞き耳立てるとか...。
「じゃあ、私と好ちゃんは基本的には放課後のストーキング担当ってことで。常に集まって行動していると怪しまれるかもなので、まずは1週間各々調べるってことでよろですw」
◇調査1日目
まずは基本情報から振り返ろう。
彼氏の名前は【
2年1組出席番号6番。
顔面偏差値は58(上の下)、期末テストは上から100番目(中の上)、友人も多いし、悪い噂は特に聞かないが何だか少し胡散臭い男...それが俺の第一印象である。
まぁ、たぶん3割くらいは俺の嫉妬により歪んだ評価かもしれないが、逆にここまで疑わない理由も特にない。
「あはは、
「だっしょ〜wマジ芸人とかめざしちゃおっかな〜w」
「浩介ならマジいけるってw」
こういう偏差値8くらいの会話にも無理なく乗りこなす圧倒的なバランス力。素晴らしい。見習いたいコミュ力だこと。
「そういや、
「ん?順調だよ?」と、澱みなくそんなことを言う。
「そうなん?それならいいけどー」
ん?何だ今の言い方。まるで何かあったように...。しかし、赤沢は特に喧嘩したとかそんなことは言ってなかった。
そのタイミングでチャイムが鳴る。
っち、いいタイミングで...。
◇昼休み
「調査はどうですか?w順調すか?w」と、当たり前のように教室にやってくる。
「...ん?まぁな」
「はい!お弁当!」と、当たり前のように差し出してくるわけだが...ここ最近連続でリノアが作ったご飯という名の...ゴミ...ではなく、お弁当を食べているわけだが...。
「...今日はまともな料理だろうな?」
「何その言い方!私みたいな可愛い子が作ったものならどんなものでも涙を流しながら喜びなさいよ!!」
「...いや、うん。気持ちは素直に嬉しい」
「馬鹿❤️大好き!」と、抱きつこうとするので手で抑えようとすると、その両手がちょうど彼女の乳房に直撃する。
「なっ!?//」と、すぐに距離を取り手で顔を隠しながら「不意にそういうのは...マジで勘弁してください」と照れながらそんなことを言う。
【挿絵】
https://kakuyomu.jp/users/tanakamatao01/news/16818093079251999901
どうやら、リノアにも恥じらいというものはあるらしい。
「...悪い」
「謝るってことは故意だったんですか!?//」
「ち、ちげーよ。事故でも、、、触ったのは事実だから」
「触るっていうかガッツリ揉んでましたよね?もぅーえっちいぃー、でもー?そんなとこも好きだよ?❤️」
「...あのなぁ」
「いつか故意で...いえ、恋してから...触ってくれるの期待してますね?」と、ちょっと上手いこと言いながら、リノアが作った不味い料理を食うのだった。
◇数日後
「ねぇ〜、雪くーん。彼女さんとはいつ別れてくれるのぉ?」
「そうだなー。まぁ、そろそろ別れるよ」
「えー?そう言ってなかなか別れてくれないジャーン」
「別に別れてもお前と付き合うなんて言ってないけど」
「えー?私とは体だけの関係ってことぉ?」
「まぁな。てか、あいつ誰だよ」
「あいつ?」
「俺をつけてるあいつ。調べてこい」
「えー?調べろってーどうやって?」
「色仕掛けとかで行けよ」
「えー?知らない男にそういうのはやだなー」
「なら、俺との関係もここまでだ」
「えー!ひどーい!分かったよー」
...あいつは確か...あの関野リノアの彼氏...だよな?
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