第9話 ダーリン❤️
「センパーイ、お邪魔しま...って、何で
「ん?あぁ、この子昨日部室に来てな。てか、勝手に幽霊部員にすんなよ。本とか探偵モノの映画とかミステリーとかちゃんと好きみたいじゃん」
「...それは...そうですけど...わたし的にはその...」
『私のことはお気になさらず!』と、ふんすかいいながら携帯画面を見せてくる。
「...まぁ、いいですけど。別に...。あっ、そうじゃなくてー見てください!これ!」と、今度はリノアが携帯画面を見せてくる。
「...ん?何々?探偵部の皆さん...ぜひこの謎を解いてください...?」
それはSNSの画面であり、この探偵部アカウントに向けて送られてきたDMというものだった。
「先輩、DMって知ってますか?」
「...それぐらいは知ってるわ」
「おぉ!すごい!SNSやらないのにすごーいw」
「...俺のことをとことん舐めてるよな」
「舐めれますよ?先輩のどこでも」
「...そういう話ではない。んで、依頼内容は?...『付き合っている彼氏が浮気をしていないか調べてほしいです。学生なのでお金がなく、探偵を雇えません。何卒、よろしくお願いします』...って、浮気調査かよ」
「猫探しとかよりマシでしょ。ふむ。浮気調査...ねぇ。どうします?」
「...まぁ、拗れる可能性もあるし、調べたのが俺らだとわかればこちらに怒りをぶつけてくる可能性もあるから、あんまりやりたい内容ではないな」
「えー!やりましょうよ!もし受けるなら、一回おっぱい触らせてあげます!」と、大胆な作戦を述べてくる。
「...あのなぁ、俺がそんなので乗ると思うか?」
「じゃあ、今回は特別に好ちゃんのも揉ませてあげます!」というと、顔を真っ赤にして『私はダメ!!!!』と、首を横にやりながら否定される。
いや、別にそんなつもりはないよ?ないけど、そんなに否定されると...正直ちょっとだけ傷つきます。
「...まぁでも、ひとまず、やるやらないも含めてまず会ってみるところからスタートしないと始まらんだろ。例えば、その人は彼氏彼女関係じゃないのに、ストーカーのお手伝いのために調査しちゃうなんて可能性もあるし、事前の下調べは必須だから」
「おぉ、先輩無駄に探偵っぽい」
『それ、昨日の映画のセリフですよね』と、即座にバラされ腹を抱えて爆笑するリノアをさておき、返信する。
『依頼を受ける受けないも含めてお話を聞きたいので、今日この後、もしくは明日の放課後に部室まで来ていただけますか?部室の場所は...』
「てか、相手は誰なんだよ」
「...2年の...
「...知らんな。赤沢?うーん...」
「あぁ、友達がいない先輩に聞いたのが間違いでした。先輩の知り合いなんて私たち2人とあのウザカップルくらいですもんね」
「うっせ」
そうして、返信してから3人でトランプで遊んでいると扉をノックされる。
「...どうぞ」
「し、失礼しまーす」
そこに現れた人物はなかなかに意外な人物であった。
赤沢って...こいつか!
【挿絵】
https://kakuyomu.jp/users/tanakamatao01/news/16818093079197438230
めちゃくちゃ同じクラスの女子であった。
赤沢って名前だったんだ...。
「...探偵部ってここで...合ってますか?って、探偵部ってあんたらなの...?」と、絶望する彼女。
「そっすよ。なんか問題ありますか?」
「...まさか、あのイカれたカップルが...探偵部だったなんて...」
「あらあら、私たちってそういう認識なんですねー。ひどーい。ねー?ダーリン?」と、急に体を接近させてくるリノア。
完璧にくる場所を間違えたと顔を引き摺らせる赤沢。
「...依頼の件はなかったこと「いいんですか?先輩の彼氏は浮気してるかもしれないのに。他に依頼できないから私たちを頼ったわけですよね」
「...だけど、あんたらみたいな...まぁ、そっちの女の子は知らないけど。あんたらみたいなやつに頼むくらいなら1人で...」
「そうですか。ではわかりました。お引き取りを」と、突然冷たくするリノア。
「...」と、葛藤している彼女に向かって一言こう呟いた。
「たぶんしてますよ。浮気」
「あ、あんたに何が..,わかんのよ」
「分かんないですよ。けど、赤沢先輩は疑っている。それが事実ですよね。じゃあ、私たちに任せてください」
「...本当に調べてくれるの?」
「えぇ、もちろん。しかし、タダでというわけには行きません。私たちはボランティアではなく、営利組織なので」
ただの部活だろ。
「お金は...そんなにないけど」
「お金は入りません。必要なのは次の依頼です。なので、困っている人を紹介してください。それでいかがですか?」
「...それだけでいいなら」
そうして、椅子に座った彼女に取り調べまがいの質問が始まるのだった。
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