第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト 【俳句】二十首連作 『雨宿りの珈琲店で』

ぽにこ

雨宿りの珈琲店で


店先の 紫色の 花びらに 雫が落ちると 色めく心


雨宿り 珈琲店の 窓の中 輝く笑顔に 呼吸忘れて

 

軒先で 雨避ける影 見つけたら 振り向くあなたに 瞳奪われ


導かれ ドアベル鳴らし 店の中 君の笑顔に 心弾ませ

 

雨の日は 紫陽花の窓 覗く席 いつしかあなたが いつも座って

 

晴れの日も 曇りの日でも 通う店 話しかけたい 今日こそ君に

 

あなたから 名前を聞かれ 舞い上がり 弾む笑顔と 心近づく

 

向日葵の 小さな花束 握りしめ 大きな鼓動と 君の店まで

 

来るはずの あなたが来ない 夕暮れに 近づくサイレン 胸締め付ける

 

あの店の 君に手紙と花束を 誰かに願い 闇に包まれ

 

悲報受け あなたのもとへ 駆けつけて 溢れた雫 拭う指先


晴れの日も 曇りの日でも 雨の日も 通う君から 手紙の返事


怪我しても 笑顔を絶やさず 前向きな あなたのそばに いさせて欲しい


空の下 君と過ごせる 喜びを 感謝しながら 感じる温もり


束の間の 一緒の時間 楽しくて 離れたくない 気持ちが溢る


別れ時 抱きついてきた 君の腕 ただ嬉しくて ただ可愛くて


反対に 抱き締め返され 腕の中 永遠誓う 満月の夜


お互いの 大切な人 挨拶し 広がっていく ふたりのご縁


純白を 纏った私 進みゆく これから先も あなたと共に


ドアベルを 鳴らした君と 歩き出す 同じ家路を 腕絡ませて

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