子供吸血鬼【ヴァンパイア】を拾った

@Zeu

第1話 灰色の出会い

「はぁ…はぁ…」

俺の名前は冴月 幽(さえずき かすか)

普通の大学を出て、

普通のブラック企業で働いている

おかげで今日も終電を逃し、

金もないので歩いて帰っている。

いつもの路地裏を通ると、

あまり宜しくないような子供達が屯していた

「ハハハ!

コイツ殺せば、

俺らも国から金貰えるんじゃね?」

「やめてよ…痛い…

僕は、何もしてないんだよ…」

「うるせぇ!お前も

人間を喰ったんだろうが!」

「うっ…ッ」

その子達は1人の吸血鬼を虐めていた

(吸血鬼狩りか…)

子供は血を吸っても

健康な子供が貧血にもならない程度だ

それだけか弱く、

人に害も齎(もたら)さない

はっきりいってこのガキ共が居ることの方が煩くて邪魔だ。

「おい。」

ムシャクシャしてた俺はついそのまま

子供達にキレ気味で声をかけていた

「あ?なんだよおっさん」

「なんだよ?」

2人ともこちらを向く

未成年に少し驚きながら

貼り付けた笑みを浮かべる

「少し、静かにして貰える?」

2人は、こんな真夜中なのにバカ笑いしだした

『ぷっ…ハハハハハハ!』

「何言ってんのww!

俺たちは、社会に貢献してるの、わかる?」

「へー、おっさんは、この社会のゴミの、

ロクに太陽の下にも出られないような

ガキに、同情するんだな…w」

(待て待て待て。俺は大人だ。

コイツらは子供だ。ちょっと

叱りつけるだけでいいまずは深呼吸…)

心の中の俺が凄い勢いで止めたが

駄目だったらしい

次の瞬間には、2人とも気絶していた

俺は、化け物になってしまったのか…?

そう考える横で

先程とは打って変わって

笑いを堪えるのに必死な小さな

吸血鬼が俺を見ていた。


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