第3話 元貴族の少年、ウサギ共と駆けっこする
【前回までのあらすじ】
『走行』のスキルを無能と言われ、貴族の家族から追放されたクリス。
生きるために、街へ向かって走り続ける。
頂いたアイデアを使わせていただいての更新です。
ありがとうございました!
――――――――――
平原の街道を走り続けるクリス。
(このペースなら、
今日中にあの街へ着けるかも・・・)
野営の道具は持ってきているが、
やはり、夜を人気のない場所で過ごすのは不安である。
(だいたい、こういう場所は夜になると・・・)
魔物が出たりするものだ。
樹海やダンジョンほどではないにせよ、
その遭遇率は決して低くはない。
運が悪いと、今のような真昼間でも魔物と遭遇することもあるのだ。
そうそう、あんな風にホーンラビットの群れなんかと・・・、
「――え?」
やや離れた草原の向こうに、
ギラついた十二ほどの角と二十四ほどの瞳の群れが見える。
それがどんどんこっちに近づいて・・・、
「RBIIIIIIIIIIIIIIIIII!!!!」」」」
「ギャアアアアアアアッ!!!!」
クリスは大慌てで、逃げ出した。
街道から完全に外れ、
草原の中で命がけの鬼ごっこだ・・・!
「ハァッ、ハァッ!」
だが、いくら『走行』のスキルで全力疾走が維持できるとはいえ、
生身の人間と魔兎では速度が違う。
(だ、駄目だ・・・、このままじゃ・・・)
追いつかれて殺される・・・。
後ろからもう、ホーンラビットの角が当たりそうだ。
見ると前方に大木が並んでいる。
(こうなったらイチかバチか・・・!)
クリスは、大木の一つ目掛けて突進した!
とても直前で方向転換など不可能な勢いで・・・。
ぶつかる!
と、見えた次の瞬間、
クリスの脚は、そのまま木の幹を駆け上がっていた!
『走行』のスキル・・・、
止まらなければどこでも走り抜けられる。
壁だろうと、天井だろうと・・・。
スキル開眼から屋敷を追い出される直前まで、
必死で鍛えぬいた成果だ・・・!
獲物を追ってきた魔兎の群れは、
相手の予想外の動きに混乱していた。
「今だ!」
木の幹を垂直に走っていたクリスは、
そのまま足場を蹴り、下にいる魔兎に向かって落下した!
ブチブチッ!という、肉を踏み潰す嫌な感触が両の足先から伝わる!
さらに、同時に投げ落とした背中の荷物の下敷きになった魔兎も・・・。
(やった!
まず三・・・四匹!)
敵はこの奇襲に驚いて、反応できないでいる。
すかさずクリスは木剣をつかみ、
新たに一匹を叩き潰した!
同時に素早く後ろに跳びすさる!
「BRRR!!!!」」」」
そこまで来て、ようやく再び攻撃の姿勢に入るホーンラビット!
(もう『走行』は通じない・・・)
あとは、ただ自分の剣術・・・、
素の力がどこまで通用するかだ。
クリスは木剣を構えなおした。
「来いっ!!」
「BARIIIIIIIIIIIIIIIIIT!!!!」」」」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ハァッ、ハァッ・・・」
緊張の糸が切れたのか、
クリスはその場にペタンと座り込んだ。
周りには、もう動くものはない・・・。
(勝った・・・)
クリスは大きく息をついた。
無我夢中で、途中から倒した数は分からなくなっていた。
(十二より少なかったような・・・、
逃げたのかな・・・?)
・・・ま、いいか。
とりあえず、早く街道に戻ろう。
怪我の手当てもしないと・・・。
その時、
「あの・・・」
と、後ろから声がした。
クリスは驚いて、そちらを振り返った。
【つづく】
―――――――――――――
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます!
そして・・・、
『何とかホーンラビットとの戦闘に勝利したクリス。
その時、彼に声をかけた者は一体・・・!?』
あなたの想像・・・いえ、創造されたアイデアをコメント欄にてお贈りください!
簡単な一言だけで結構ですので・・・!
『冒険者』とか、『商人さん』とか、『エッチで綺麗なお姉さん』とか・・・。
物語の続きを紡ぐためにも、
どうぞよろしくお願いします・・・!
――というお願いにお応えいただき、
本当にありがとうございました!
最新話では常にアイデア募集中です。
よろしくお願いします!!
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