第2話  ミステリにハマる




 読書そのものは嫌いではなかったのですが、それは子供の頃の話であり大人になってから読書とは無縁の生活を送ってきました。


 せいぜい好きな漫画のノベライズを読む程度でしたね。


 特に好むジャンルはなく、何を読もうかな、と悩んだ私はとりあえず『小説 初心者 おすすめ』といった感じで検索をかけてみました。


 そこで出てきたのが初心者におすすめの推理小説を紹介するサイト。今になって振り返れば、あそこが最初のターニングポイントだったのかもしれません。



 推理小説というものは今まで読んだことがなかったのですが、名探偵コ○ンなどの推理モノは好きでした。


 ぼんやりサイトを眺めていると、『一行で世界が変わる』的な煽りで紹介されていた小説が目に留まります。


 (どういうことだ?)と興味をそそられ、その小説をアマゾンで購入。


 やがて私の手元に届いた『十角館の殺人』は私に多大な衝撃を与えました。


 まさに世界がひっくり返るような今まで味わったことのない感覚が私の脳髄を刺激し、私は見事にミステリの世界に取り憑かれてしまったのです。


 美しいロジックと驚嘆のトリック、入り組んだ謎が解ける爽快感は一度味わえばやみつきになってしまうでしょう。



 それからは本格ミステリを中心に推理小説を読み漁り、やがて自分でも推理小説を書いてみたくなったのは自然な流れでした。


 そしてミステリを応募するにあたってどの新人賞がいいだろうかといろいろ調べてみるとどうやら講談社さんの『メフィスト賞』というものがいいらしいと知った私。


 この賞は下読みを編集さんがやってくれるだけでなく、年に3回も受賞のチャンスがあるすごい賞です。


 ここに応募しようと決め、さっそく処女作の執筆に取り掛かったのでした。



 続く

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