館西夕木の書籍化までの長い長い道のり

館西夕木

第1話  館西夕木、作家になりたがる



 私が初めて小説を書こうと思ったのはたしか2014年頃でしたね。


 会社と家を往復する日々を死ぬまで続けるくらいなら、『何か』為してやろうと思い立った二十歳そこそこのクソガキの私。

 子供の頃から空想することが大好きだったので、それを小説にすればいいじゃないか、と安易なことを考えた私。

 小説なら絵が描けなくてもパソコンさえあればできるじゃないか、と今になって振り返ってみると本当に舐め腐ったことを考えていました。



 それからWordのソフトを購入し、実際に書き始めたものの、執筆のしの字も知らなかった私は2ページほど書いてすぐに脱落してしまったのです。


 甘かった。


 そりゃ当然です。


 プロットもなければキャラの設定も作っていない、さらにはオチまでの道筋も考えていませんでした。


 完全に行きあたりばったりでした。(この悪癖は今でもたまにやりますが笑)


 当時の記憶を思い返してみると、たしか一番最初に書こうと思っていたのは化け物が潜む村を舞台にしたホラーっぽい感じのお話でした。


 オチというかアイデアというか、話の根幹部分は頭の中でできていたのですが、それ以外がとにかくお粗末。


 キャラの名前も物語の設定も書きながら考えるというお粗末さ。


 そして何よりも痛感したのは、文章を書くことは難しいということ。


 脳内のイメージを文章に変換することの難しさは、今まで経験したことのない種類のものでした。


 ただ一つだけ当時の自分を褒めるところがあるとすれば、それは投げ出さなかったこと。


 書けないからやーめた、と放り出すのではなく、どうしたら文章が書けるようになるのだろう、と私は考えました。


 そして出した答えは読むこと。


 「とりあえず本を読みまくろう!」と思い立ったのです。



 続く。

 

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