第8話 藹々

 それから私は夜中なると毎日、家を抜け出し、亡者と相対した。

 学校の成績は何とか保つことが出来たが、寝不足と様子の変化を家族や友達は不思議に思っていた。

 夏休みに入ると、私は昼間も寝ていることが多くなった。

 今年は受験の年だと言うこともあり、毎年恒例の家族旅行も、寿磨達一家とのバーベキューも無く、ほとんどを寝て過ごした。

 いつまで経っても霊力を肉体に利用することが出来ず、それなのに受験生だからと配慮され、昼間のトレーニングは免除された。


「これ程までに無駄にすごした夏休みは今まで無かった」


 勉強ノートの端に無意識に書いてしまうほど、無駄にしていた。

 そんな空虚な夏休みも中盤に差し掛かってきた頃、少し遅めの朝食を食べ終え、リビングでテレビを見ていると携帯電話が鳴った。

 

「もしもし」


 意識をテレビに向けたまま電話に出る。

 夏休みに電話がかかってきたのは初めてだ。

 

「もしもし瞳美?」


「み、御厨さん!?」

 

 電話の主の正体に思わず背筋が伸びた。

 テレビの音量を下げると、耳に当てた携帯を両手で掴んだ。 


「何か用ですか」

「別に大した事じゃないんだけれど、今暇かし……」

「暇です!」

「あ、そう。じゃあお昼ご飯ご馳走するから12時半に駅前のファミレスに来てくれる?」

「じゅ、12時半ですね」


 御厨さんからの誘いに心が高まり、部屋の時計を確認すると、11時30分を指している。

 私はいまさっき朝食を食べたばかりだと言う事実に落胆した。


「わかりました」


 電話を切ると、階段を上がり自室へ入った。

 タンスの中から着ていく服を選び、お気に入りのワンピースを手に取ると、それを椅子に掛けた。

 時間にはまだ余裕がある。

 脱衣場で身支度を済ませるとワンピースに着替え、家を出た。

 時刻はちょうど12時を過ぎたところ、駅まで歩いて15分もかからないことを考えれば十分余裕を持つことができた。

 何事もなく駅に着き、時刻を確認すると家を出て10分程しか経っていなかった。

 いつもならもう少しかかるはずだが、浮ついた心が足を早めさせたのだろう。

 駅から東に数十メートルの所に約束のファミレスは存在する。

 まだ早いだろうと、私は駅前の木陰になっているベンチに腰を下ろした。


「早く来すぎたかな」

 

 影の下とはいえ、容赦なく暑さが体を纏う。

 本屋や喫茶店に入ることも考えたが、喫茶店はお金がかかるし、本屋で立っているのは辛い。

 涼しいところで立っているか、暑いところで座るか。私は後者を選んだ。

 木の枝に設置されたミストシャワーが少し暑さを和らげてくれる。

 ハンカチで顔の汗を拭う。

 携帯を眺めつつ周囲に目を配ると、ポニーテールの女性が近づいてくる。

 赤いシャツの上に白いサマージャケットと長いジーンズを着たその女性に見覚えがあった。


「あれ、涼花さんだ」


 目を凝らしてよく見るとその人物は涼花さんだった。

 ジャージや剣道着姿しか見た事がなかった涼花さんの姿に胸躍った。

 やはりあの人も美人だ。

 出来れば、ナンパされている現場とか見てみたいが、この考えはすこし不謹慎かもしれない。 

 そんなことを考えていると、涼花さん目の前にまでやってきた。


「早かったな瞳美」

「あれ? 涼花さんも御厨さんに呼ばれたんですか」


 質問すると涼花さんは瞳美の隣に腰掛けた。


「ああ。ていうか聞いてなかったのか。夏樹も来るはずだぞ」

「全く聞いてないです……」


 御厨さんと2人だけだと思っていた私は、2人には申し訳ないが肩を落とす。


「本当にあいつはいい加減だな」


 しばらく2人で待っていたが、何を話していいか分からず、しばらく黙っていた。

 いつの間にか駅の時計の針が12時30分を超えている。


「御厨さん達遅いですね」


 涼花さんに話しかけると、涼花は腕を組みながら貧乏揺すりしていた。


「あいつらはいつもこうだよ。時間通りに来ることの方が少ない」

「本当ですか?」

「ああ。そして遅刻しても悪びれない。その癖あいつら、稀に自分が早く来ると鬼の首を取ったような態度を取るんだ」

「あはは……何となく想像がつきます」


 簡単に想像出来てしまう尊敬する人達の知りたくもない事実を知ったところで、御厨さんと夏樹さんが2人揃って現れた。


「お待たせしたわね」

「あ、御厨さん」

「あはは。ごめんね2人とも」

 

 涼花さんの言った通り2人は申し訳なさそうな様子もなく、いつもと変わらない。

 涼花さんにアイコンタクトを送ると、


「だから言っただろ」


 と目で言ったように見えた。

 

 御厨さんも夏休みのはずだが、相変わらずいつもと同じ服を着ている。

 違うところといえば、ラフなスニーカーを履いていることくらいだ。

 大学生のはずなのに、なぜこの人からはいつも謎の社会人感が滲み出ているのか、それなら時間くらい守って欲しい。

 隣の夏樹さんは黄色いシャツに短パンという、かなりラフな格好をしている。

 シャツに盛り出た胸の部分に私の視線が集中する。

 男子小学生みたいな風貌なのに誠に遺憾だ。

 自分の胸に両手を当てても虚しくなるだけだった。


「ほら行こう瞳美」


 涼花さんに声をかけられた時、すでに御厨さんと夏樹さんはファミレスに向かって歩き出していた。


「涼花さん⋯⋯」

「あいつらはああいうヤツらだ。諦めた方がいい」

「違うそうじゃないんです。自分が許せないんです。大好きな人を少しでも見下して勝てると思い上がっていた自分が」


 涼花さんが首を傾げる。

 この気持ちは持たざる者にしか分からない。


「まあとにかく行こう」

「はい⋯⋯」


 御厨さん達の後を追ってファミレスに入ると、中はかなり混んでいて待っている客も居た。


「結構混んでますね」

「まあ夏休みだからね。私に任せて」


 そう言うと御厨さんは携帯画面を開き、店員に話しかけ画面を見せた。

 するとすぐ店員に案内され、混んでいるというのにすぐに席に座ることが出来た。


「予約してたのよ」


 御厨さんがこれみよがしに予約サイトの画面を見せつけてくる。


「だったら尚更時間通りに来て欲しかった⋯⋯」


 ボソッと呟くと、向かいに座る御厨さんと夏樹さん少し悪びれた様子で視線を私から遠ざけた。


「その通りだな」


 肘をテーブルに置きながら涼花さんは御厨さん達を睨んだ。

 私は窓の外に目を向けた。夏休みということもあり、学生の姿が多い。

 知り合いが歩いていないか探してみたが、それらしき人物はみつからない。


「瞳美」


 窓の外を惚けながら眺める私に御厨さんが声をかける。


「あ、どうしました」

「はいこれ。好きなの頼んでいいから」


 御厨さんは私にメニュー表をひとつ手渡した。 

 受けとった私は隣の涼花さんにも見えるように広げた。

 朝食が遅かったこともあり、あまりお腹は空いていない。

 しかしせっかくご馳走になるというのだから、何も食べないという選択肢は私の中にはなかった。

 向かいでは御厨さんと夏樹さんがメニュー表をテーブルに広げ、吟味している。


「じゃあ僕はこれにしようかな」


 夏樹さんが注文の品を指さすと、私は何を頼んだのか確認した。

 メニューは逆さまになっているが、夏樹さんが丁度この店の平均価格の品を指さしているのがわかる。


「じゃあ私はこれだ」


 そう言って涼花さんも御厨さん達が見ていたメニュー表を指さした。

 品を確認した御厨さんが目を細めて涼花さんを見た。


「ちょっと。いちばん高い奴じゃない」

「別にいいだろう。たまには私達に最年長として格好いいところをみせてくれ。なあ瞳美」

「え、え、はい?」 


 突然話を振られ、なんと言っていいのか分からない。

 時間に遅れた仕返しのつもりかもしれないが、大学生に向かって遠慮がない。

 御厨さんを見ると、明らかに涼花さんに向かって顔を苛立っているようで、額の血管が少し浮き出ているように見えた。


「まあいいわよ大人だから。ところで瞳美は決めたの」

「あ、はい」


 まだ決まっていないのに思わず頷いてしまい、慌ててメニューに目を向けた。

 店員を呼ぶボタンを御厨が押すと、すぐさま店員がやってきた。


「ご注文どうぞ」

「Aランチセットとチーズハンバーグセットと……」


 御厨さんが注文を店員に伝える。

 私はその間も何を食べるか迷っていた。


「リブロースステーキのセット、150グラムで」

「いや、200だ」


 涼花さんが御厨さんの言葉を訂正すると、無言で御厨さんは涼花さんを凝視した。

 視線など気にもせず、涼花さんは私の肩を叩いた。

 私はこの人の味方だと思われたのか。


「あ、じゃあ私はカルボナーラで」

「あとドリンクバー4つね」


 偶然目に付いたカルボナーラを注文すると、店員は去っていった。

 飲み物を取りに行くと言って手前の席に座る涼花さんと夏樹さんが、私達に希望を聞いた。

 私はメロンソーダを頼み、2人は席を立った。

 涼花さんに軽くお辞儀し、御厨さんに顔を向けた。

 すると目が合い、思わず顔を逸らした。

 自分から見たのに、逸らしてしまったのは何故だろう。

 

「急に呼んでごめんね」

「い、いえ」


 御厨さんはテーブルに肘をつき、頬を手のひらに乗せている。

 私の視線は、自然に御厨さんの顔から下の方へ向けられた。


「でも突然で驚きましたよ」


 私が言うと同時に2人が飲み物を持って戻ってきた。

 涼花さんからコップを渡され、ストローに口をつけた。

 

「まあ別に大したことじゃないのよ」


 御厨さんコーラに口をつける。  


「ただ瞳美も慣れてきた事だし、お礼とこれからの相談をね」

「相談ですか」


 お礼というのも驚いたが、そこに触れるのは野暮だろう。

 御厨さんはコップを退け、壁際に寄せた。 

 テーブルの開いた場所に腕を乗せ、軽く身を乗り出す。


「そう。いつまでも全員で毎日夜中に駆り出す必要はないと思うのよ」

「それはいいな」

「賛成賛成。僕もたまには休みたい」


 涼花さんが賛同の声をあげ、すぐに夏樹さんも続いた。

 もしかしてこの人たちは今までも毎日、夜中に見回ってたのだろうか。


「で、どういうスケジュールを組むんだ」


 涼花さんが御厨さんに視線を向ける。

 御厨さんは飲み物を1口飲んだ。


「瞳美が来るまでは3人でやってたからそれでいいと思うの」


 私を含めて3人が賛成だと首を振った。

 別に何も不満は無いし、むしろ有難い。

 それに私が来たことで3人の負担が減るなら、嬉しいことだ。

 御厨さんは私達それぞれに顔を向け、了承を得られたことに満足した。


「じゃあ順番は適当でいいわね」


 そう言って御厨さんはポケットからメモ帳と挟んだペンを取り出した。

 メモ帳をテーブルに置くと、パラパラと巡った。

 びっしりと書かれたメモが目に映ったが、中身は一切分からなかった。

 御厨さんはメモにここにいる4人の名の頭文字を書いた。

 私の名が1番上に、その下に涼花、夏樹、御厨と続く。

 御厨さんはメモ帳を皆に見えやすいように中心に置き、私達に向けた。


「例えば今日は私が休みであなた達がいくの。そしたら明日は1番上の瞳美が休みで、その次は涼花。こうやってローテーションさせていけば4日に1回は休めるわ」


 ジュースを一気に飲み干しながらはメモ帳を眺めた。

 一気飲みしたせいでゲップが出そうになったが、手で口を塞いで我慢した。

 

「じゃあそれでいいぞ」

「うん。僕も」

「そう、じゃあ今日は私が休ませてもらうわ。一応ミスが起きないようにこの順番は覚えておいて」


 話が一区切りすると、順に皆の注文の品が届き、それぞれ食べ始めた。


「瞳美、それで足りるのか」


 パスタを巻いていると、口いっぱいに肉を頬張った涼花さんが尋ねてきた。

 私が男子中学生だとすると、この人は小学生男子だろう。 


「大丈夫です。実は朝ごはん遅かったんで」


「そうか。せっかくの奢りなんだからもっと頼めばいいのに」


 肉を一気に飲み込みながら涼花さんが言う。

 なんて答えたらいいのかちょっとわからないので、私は無言で御厨さんに視線を向ける。


「ちょっと、人の金だと思って何言ってるの」


 呆れながら御厨さんが涼花さんを睨んだ。

 だが全く気にすることなく、涼花さんは肉を口に運んだ。


「さてと。そろそろデザートでも頼むか」


 涼花さんはステーキが残り少なくなると、メニュー表に手を伸ばした。


「あ、僕も頼もうかな」


 先に食べ終わった夏樹さんはもうひとつのメニュー表を眺めている。


「ほら瞳美、お前は何頼む」


 涼花さんが食べ終えた私にメニューを見せてくるが、もう入りそうにない。


「えっと、私はいいです」

「そうか。まあ朝食が遅かったなら仕方ない」


 涼花さんは店員を呼び出し、デザートを注文すると残った料理を一気に食べ終えた。


「あんたら遠慮しなさいよね。こちとらまだ学生よ」


 御厨さんが食後のコーヒーを嗜みながら呟く。

 初めて会った時から、未だにこの人が学生というのは少し信じられないが、確かに社会人なら、もう少し時間を守るはずだ。


 ストローに口をつけながら私の視線はまたも御厨の胸元へ向いた。

 何もしないでいると、どうしてもそこに視線がいってしまう。

 隣で涼花さんと、夏樹さんは何やら2人で談笑している。

 

「ところで瞳美」


 御厨さんが話しかけてきたことによって、視線が上を向いた。

 御厨さんはティースプーンを回しながら、私を見ている。


「はい?」

「あなた高校はどこに行くか決めてるの」

「いえ⋯⋯まだ」

「そう⋯⋯」


 御厨さんは視線をコーヒーに向け、啜った。


「じゃあ良かったら雨宮に来たら」

「雨宮にですか」

「実は私は来年から雨宮で教師になるの。あそこの理事長は亡者や私達のことも知ってるし、涼花と夏樹もいるから色々捗るのよ」


 実際まだ決めていないものの、ここ最近は雨宮にしようとなんとなく考えていた。

 学力的には問題なく、家からは徒歩圏内で通いやすい。   

 そして上の学年に涼花さんや夏樹さんといった知り合いもいて、教員として御厨さんまで居るとなると言うことは無い。


「私としてもお前が居ると色々有難いぞ」

「瞳美ちゃんが後輩になったら僕も嬉しいよ」

 

 横から涼花さんと夏樹さんが話に入る。

 以前も軽く誘われたが、今の2人の発言は胸に響いた。

 2人に歓迎されると、それだけで心が踊る。

 人からこんなことを言われたのは、随分久しぶりかもしれない。 

 そして今御厨さんからの勧誘を受けたことで、私の意志は固まった。


 ────


「ご馳走様でした」


 店から出ると、皆は解散しそれぞれの方向に去っていった。

 皆を見送った後、先日好きな漫画の最新刊が出たことを思い出し、本屋に入った。

 一直線に漫画コーナーに行くと、目当ての品は1番目立つ場所に置かれていた。

 本屋は外に比べると冷房が効いていて遥かに過ごしやすい。

 もう少し涼もうか迷ったが、狭い店内で立っているのもやはりあれなので、本を手に取ると、さっさとレジに行き会計を済ませ店を出た。


「あ⋯⋯」

 

 店を出た矢先だった。

 真夏だというのに長袖のシャツを着用し、ポケットに両手を入れながら気だるそうに歩く幼馴染と目が合った。


「寿磨」

「なんだ瞳美か」


 寿磨はポケットから手を出し、手で挨拶をした。

 寿磨のすぐ後ろに、小学生らしき女の子の姿が見える。

 一瞬、なにかよからぬ事が起きているのではと思ったが、小学生の正体は寿磨の妹の華奈かなちゃんだった。

 華奈ちゃんは三つ編みにした髪を揺らしながら私に近づいてくる。


「瞳美お姉ちゃん久しぶり」 

「久しぶりだね」


 夏休みに入ってからはその姿を1度も見た記憶がなかったが、相変わらず寿磨の妹とは思えないほど可愛らしい。

 4歳違いの華奈ちゃんは、産まれる前からの知り合いであり、昔から私のことを姉のように慕ってくれている。


「今日は2人でどうしたの」

「華奈が外で食べたいって言うから今からファミレスに」


 寿磨が親指で丁度私が出てきたばかりのファミレスを指さした。                           

 隠さなければいけない、という訳では無いが、御厨達と丁度入れ違いになってよかったと安心した。


「そうなんだ。じゃあね寿磨、華奈ちゃん」

「うん。じゃあねお姉ちゃん」


 その場を立ち去ろうと2人の前を通り過ぎると、寿磨が人差し指で私の肩を続いた。

 振り向くと寿磨が勘ぐるように自分を見ている。


「どうしたの?」


 寿磨は頭をボリボリと掻いた。


「お前最近疲れてないか」


 寿磨の質問に、心臓の音が大きくなった。


「え? どうして」

「なんか、そんなふうに見えるから」

「まあちょっと、受験勉強のしすぎかな」

「本当かよ⋯⋯」


 咄嗟に誤魔化したが、相変わらず寿磨が私をよく見ているものだと、なんだか嬉しく思えた。

 しかし、この鋭さは警戒した方がいいのかもしれない。

 今考えてみると、夜中に外に出るところを見られていないのは奇跡かもしれない。


「まあいいや。じゃあな」


 納得した様子で寿磨はファミレスへ歩き出した。

 華奈ちゃんはじゃあね、と言って手を振りながら寿磨の後ろをついて歩く。

 華奈ちゃんに手を振り返し、寿磨の背中を見送った。

 帰るとすぐに買ったばかりの本を読み、ダラダラと暫く過ごした後、夕方に眠った。

 両親帰宅後、3人で夕食を食べ風呂に入った。

 夕方眠ったこともあり、目は冴えている。

 夏休みの宿題に手をつけながら夜中を待ち、夜中になると誰にも気づかれないように外へ出た。

 いつもより寿磨の部屋へ意識を集中させたが、変わったことはない。

 その後はいつも通り、街を彷徨う亡者を消滅させ、また気づかれないように家に帰った。

 御厨さんが居なかったが、特に問題はなかった。

 明日は久しぶりに夜中に出る必要がない。

 そう思うと幾分か心は軽くなり、安心して眠ることが出来た。



 それから4日に1度休みながら普段の生活と亡者との戦いが行われた。

 夏休みが終わり、二学期が始まってもその生活に変わりはなかった。

 ただやはり、夜中に目を覚ます必要がないというのは大きい。

 しかし、いつまで経っても霊力で身体能力を上昇させられず、自分に嫌気が刺してきたが、御厨さん達に助けられ特に問題は起きなかった。


「早く私も忍者になりたい」


 そう漏らしながら、日々は過ぎていった。

 


 

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