不思議物語。〜彼女が女神って迷惑ですか？〜

第25話：猫仙人はエロ仙人。

「なに？・・・ヤキモチ焼いてんの？」

「焼いてません！！」

「小玉ちゃん、ダイシの言う通りだよ、あたし彼に告ったけど完全拒否

されちゃったから・・・彼の城壁は崩せそうにないね」

「ついてきたのは小玉ちゃんに会いたかったからだよ」

「安心して、小玉ちゃんがダイシをフルまで、あたし待ってるから」

「フルって・・・そんなこと絶対あるわけないもん」

「もう油断も隙もないんだから・・・」

「花乃ちゃん、ダイちゃん誘惑しちゃ嫌だよ」

「冗談だってば・・・しばらくここにいたら遠野に帰るから・・・ 」

「あたし都会の空気ってダメなの・・・やっぱり田舎がいいわ」

「ってことで、少しだけお邪魔するけど・・・ダイシには絶対手は出さない

から・・・誓ってなにもしないからね」

「分かった・・・ああ、そうだ花乃ちゃんタマちゃん知ってるよね」

「タマちゃん？・・・って誰？」

「高徳寺の玉露九道人（ぎょくろくどうじん）」

「ああ、あの猫仙人」

「知ってる、知ってる・・・ずいぶん会ってないな・・・」

「あのね、その猫仙人・・・タマちゃんがこのマンションにも時々来てるんだよ」

「へ〜そうなんだ・・・あのエロ仙人」

「エロ仙人？」

「小玉ちゃん、狙われなかった？」

「昔さ、神様の集いって宴会に猫仙人が来てて、あたしの尻おかっけ回して

しつこくて困ったことあったのよ・・・あのセクハラじじい」

「そうなの、私には何もされなかったけど・・・」

「そうね・・・小玉ちゃんはたしかに可愛いけど、あたしほど色気ないからね」

「それでエロ仙人に狙われなかったんだよ・・・よかったね」

「色気がないのはたしかだけど・・・喜んでいいのか悲しんでいいのか？」

「そう時々来るんだ、エロ仙人」

「会ったら、お灸据えてやろうかな・・・面白そうだから・・・」

「ふたりともタマちゃんで話盛り上がってるな」

「ダイちゃん、花乃ちゃんタマちゃんのことエロ仙人って言ったの、内緒ね」

「猫仙人って言っても機嫌悪そうにするでしょ、もしエロ仙人なんて言ったら

絶対、怒るから・・・なんせタマちゃんにはお世話になったからね」

「分かってるよ、タマちゃんと小玉ちゃんがいなかったら俺はここに

いなかったんだしな・・・感謝してるよ、ふたりには・・・」

それから小玉ちゃんと花乃ちゃんとの間で、まことしやかにタマちゃんは

エロ仙人って呼ばれることになった。

知らないのは本人だけ。

ってことで大志の部屋に女神様がふたりになった。

こんな珍しいこともあるんだね。

大志はよほど神様と縁があるみたいだ・・・もうないと思うけど現実は小説より

奇なりって言うからね・・・もうなしにしてくれ、次は女神じゃなくて

人間の女性でいいわ・・・・なこと小玉ちゃんに知られたら大事だな。

第26話につづくのじゃ。